6月25日
今だから話そう「新人バンドの見つけ方」ルールよりも情熱が勝つ!
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音楽レーベルや制作チームにとって最大の使命は新人発掘、そしてデビューさせることである。

全く新しい個性の登場には、スタッフ全員の適正なアイデアが求められる。白紙に絵を描くようなものであるから、制作、宣伝、営業のすべてのスタッフが大いに活気付いて意見の交換が始まる。

所属する既成アーチストとの業務にも、その斬新な企画やアイデアが役立つことが多いのだから、定期的な新人アーチスト投入は、音楽仕事の必須であると言ってもいいと思う。

新人との出会いにはいろんな方法があるのだが、例えば。上司から紹介される新人は、ほぼトップダウン、業務命令である。

ちょっとなあ、と思っても、感覚の違いだったりするから断るのも難しい。しかも、有力マネジメントやメディアのバックアップも期待できるし、業界の現状をよく読んでいるし、また、自分の人間関係、守備範囲を広げるチャンスでもある。

1978年、当時、人気急上昇の俳優、松田優作さんを上司から紹介された時、すごい役者さんだけど音楽はどうなんだろう? 役者さんの気まぐれ? と疑問に思ったが、本人に会った途端にそんな先入観は吹っ飛んでしまい、ボク自身が熱烈なファンになってしまった。

とはいえ、好きで選んだこの音楽仕事。まずは、好きなアマチュアバンドを自分の目と耳で見つけて、ゼロから育てて周りを口説いてデビューさせるヒットさせる! 簡単ではないが、これが音楽仕事の醍醐味である!!

売れるかどうかよりも、今までに見たことがない、聞いたことがない、新鮮な驚きと喜び。

有力新人を見極めるポイントは、楽曲だ、歌だ、と言ってはみたものの、素敵なライブを見たときの感動には理屈なし!

一目惚れ、片思いのような、ちょっと甘酸っぱい新しい音楽との出会いを求めて、毎晩のように、ライブハウスに通い、友人知人や関係者からの評判を頼りにアマチュアバンドを追いかけまわしていた。


■サザンオールスターズ
1977年春、渋谷ヤマハにて。友人スタッフからの紹介でアマチュアコンクール『EastWest77』予選をエピキュラスで見たのが最初。

洋楽ロック愛が溢れる歌と演奏はすごく新鮮だった。楽曲のバリエーションも強烈だった。「学生時代の思い出に」と、1978年6月、メジャーデビュー。


■Cocco
1995年、新人オーディションに友人が他薦応募したカセットを同僚TEくんが聞き、すぐに沖縄まで飛んでCoccoと出会い一気にはまった。

全く新しいそのキャラクターは、瞬く間にシンパスタッフが急増して、1997年3月、メジャーデビュー。

■くるり
1997年春、同僚TAくんが大阪イベントにて。大阪出張の目的だったバンドの次に出たくるりを偶然見てびっくりした。

1999年夏、フジロック・ルーキーステージがメジャーデビューお披露目ライブになった。

■斉藤和義
1998年12月、FM802大阪城ホールイベントにて。他の仕事で行った時に、偶然、初めて見たライブがすごかった。歌もギターも、ぶっ飛んでいたのだ。これまた偶然、マネージャーが古い友人だったのもラッキーだった。


スピードスターレコーズ発足の1992年、新人探しは急務だった。マネジメントを回り、噂を聞きつけて、ライブハウスに日参し、インディーズ情報を集めた。

実は、ボクが個人的に気にしたことが一つあった。既成のアーチスト達が賛成してくれることだった。

もちろん、いちいちお伺いをたてるわけではないけれど、鮎川誠さんや泉谷しげるさんから「どこがいいの?」「何やってるんだよ?」などとは言われたくない。

レーベルメイトになれば、会ったり、共演する機会もあるだろう。やはり先輩から応援してもらいたい。誰にも言ったことはないけれど、これはずーっと気にしていたことで、ボクの気持ちの中での新人選びの大きな基準になったとも言える。

音楽スタッフにとってアーチストは財産である。家族である。ベテラン、若手、様々なアーチストに囲まれて仕事しているのだが、アーチストにとっての3大目標は…

1.デビューする。
2.ヒットする。
3.ヒットを続ける。

そしてまずは、デビューすること、デビューさせること。アーチスト活動はここから始まる。そして、新人アーチスト、バンドを、デビューに導くことこそ、音楽仕事のスタートラインであり、すべての音楽スタッフの最大の責任だと思うのです。

2017.07.10
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カタリベ
1948年生まれ
高垣健
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