1月15日

大人はかくあるべし、ジャクソン・ブラウンから教わった新成人の心構え

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ジャクソン・ブラウンの来日公演が東京厚生年金会館ホールで開催された日
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時代の流れについて行けてない… と思うことがある。こんなことを言うとオッサンくさいが、実際オッサンなんだからしょうがない。

ネット上のトップニュースは1、2時間で切り替わり、SNSのタイムラインはアッと言う間に流れていく。で、たまに見るニュースが “荒れる成人式” とかでゲンナリする。が、時代についていけないことをネガティブに受け止めてるかというと、そうでもなく、これはジャクソン・ブラウンのお陰かもしれない。

始めに断っておくが、筆者はジャクソン・ブラウンの熱心なファンではない。活動を追いかけたのは、学生だった1980年代のみ。

自分よりもひとつ、ふたつ上の世代に支持されているアーティストとして中学生の頃から存在は知っていたが、その音楽を耳にしたのは映画『初体験 リッジモント・ハイ』の挿入歌で82年のヒット曲「誰かが彼女を見つめてる(Somebody's Baby)」だった。当時のナンバーにしては過剰な装飾がなく、オーソドックスなバンドサウンド。なおかつメロディがかわいらしく、オッサンにしてはいい曲を作るなあと、当時高校生だった自分は生意気にも思ったものだ。

翌年ブラウンはアルバム『愛の使者(Lawyers in Love)』をリリースするが、これがツボにハマった。とりわけタイトル曲は、これまたメロディがかわいらしい爽やかなウエストコーストサウンドで、ビートも効いている。なんともFM映えする楽曲だった。が、訳詞を読んでその印象はガラッと変わる。“今の時代に、ついていけない / 気持ちも滅入っていくばかり” というボヤキ的な導入から、米ソの冷戦を風刺的に描いた後半へ。このオッサンは意外にも攻撃的なメッセンジャーだった!

ちなみに、このアルバムの訳詞の一人称は “僕”。この辺が同世代のシンガーソングライター、たとえばスプリングスティーンやトム・ペティとは違うところで、彼らのような “俺” という一人称のアーティストが攻撃的な歌を歌うのは高校生にもわかりやすい。が、“僕” が痛烈なメッセージを発するとなると、インパクトもまた違ってくる。単に訳し方の違いと言われればそれまでだが、それが何となく面白くて、ブラウンがどんな人なのか、とても興味を引かれた。

そして1987年1月15日、ついにその本人を目の当たりにする。ジャクソン・ブラウン来日公演。それは今まで見てきたロックのコンサートとは明らかに違っていた。いわゆるノリノリではないし、オーディエンスをあおることもない。「愛の使者」や当時ヒットしていた「フォー・アメリカ」のようなメッセージソングには感情がこもっていたが、オーバーに歌い上げることはない。淡々としていると言えばその通りだが、目が離せない緊張感もある。そして確実に歌があり、“俺” 的に強がったりせず、“僕” 的なヤワさも感じさせない、自然体のブラウンがそこにいた。

このときのライブを鮮明に覚えているのは、その日が自分の成人式だったから。区の式典に出て、初めて献血を体験してフラフラになりながら足を運んだブラウンのライブは、大人はかくあるべし、という見本のようでもあった。時代についていく必要はない。自分でありさえすればよい。

30年を経てブラウンのような大人になったかどうかは疑問だが、時代の流れについていくことを義務のように感じなくなったのは間違いない。流れていくものは流しておく。引っかかったものには、こだわる。それでいいじゃないか。

2018.01.15
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  YouTube / Video Clip Revival


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