9月1日

石川秀美の新機軸「バイ・バイ・サマー」オトナでセクシーなひと夏の恋!

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80’s Idols Remind Me Of… Vol.31
石川秀美 / バイ・バイ・サマー


激唱風ミディアム調ロッカバラッド路線「バイ・バイ・サマー」


“花の82年組”… 中森明菜や小泉今日子といった2トップを筆頭に、堀ちえみ、早見優、石川秀美あたりが1軍たるトップ集団を形成、華々しい80年代アイドルシーンを彩っていた。それぞれが独自のキャッチフレーズを冠して鳴り物入りでデビューしていたが、我らが石川秀美ももちろん例外ではなかった。それは、“西城秀樹の妹”、“さわやか天使”!

多くのアイドルシンガーの根底にあるフレッシュで爽やかな佇まいに(スポーティで)健康的なイメージを加味(アイドル運動会での印象的な太ももよ!)、西城秀樹直系ともいえる “しゃくり・かすり気味な” 激唱に寄せた歌唱法を垣間見せるにつれ、他とは一線を画した石川秀美のパブリックイメージはおおよそデビュー年の1982年中に確立されている。もちろん初期段階では健康的な爽やか路線の方が強かったが、激唱風ミディアム調 “ロッカバラッド” 路線を前面に押し出しだしてきたのは、明らかに「バイ・バイ・サマー」(1983年)からだった。

石川秀美が歌う夏ソング「バイ・バイ・サマー」その特異性とは?


ある意味アイドルの定番たる “夏” ソング、1982年組では堀ちえみや小泉今日子にそのイメージが強いかもしれないが、実は石川秀美も結構多くのシングルが存在している。

名曲の誉れ高い一般的ブレイク前のセカンド「ゆれて湘南」(1982年)、10万超えのキックオフとなった弾けるポップ路線3部作の3作目「恋はサマー・フィーリング」(1983年)、「夏のフォトグラフ」「熱風」(共に1984年)あたりが挙げられよう。そして「バイ・バイ・サマー」は、レパートリー中最も特異で異色な作品だったのかもしれない。

激唱風ミディアム調ロッカバラッド路線を前面に押し出したという側面もそうだが、これまでになかったオトナでセクシーな “夏の恋” を描いた、その歌詞内容に特異な異色感を見いだせる。

“金のピアス” “胸のボタンひとつはずしても” なんてセクシーワードをまぶしながら、夏の海で巡り合ったひと夏の男を忘れられない、でも今はひとり… ワンナイト・ラヴならぬワンサマー・ラヴ! これぞ石川秀美の新機軸、(健康的なセクシー&)哀愁のミディアム調ロッカバラッド路線は、以降いくつかのシングル作品でも採り入れられ、彼女の専売特許となっていく。「She Loves You~キッスで殺して」(1985年)に至っては、年下の男の子を翻弄する… ああ、なんたることよ。

石川秀美の“高め安定期”への試金石となった「バイ・バイ・サマー」


「バイ・バイ・サマー」のセールスは、「涙のペーパームーン」以来の4作連続の10枚万超(以降「もっと接近しましょ」(1985年)まで10作連続!)を達成、オリコン週間シングルランキングも「サイレンの少年」(1985年)まで13作連続でトップ10入りを果たした。

そう、当作は石川秀美の “高め安定期” への試金石となった作品だったというのが見えてくる。ただし石川秀美の一般的代表作といったら、やはり(当時のヒット感以上に)後にじわじわと名曲感を獲得した「ゆれて湘南」というのは否めないんだよなあ。

激唱・セクシーといった専売特許をものにした「バイ・バイ・サマー」が、男目線で過ぎゆく夏の恋を描いた哀愁の「ゆれて湘南」に、代表作の座を譲る… なんとも悲喜こもごもなストーリーではないでしょうか。

特集 夏の終わり -Growing up-



2021.08.22
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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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