9月1日

おすすめシティポップ【夏の夕暮れチルアウト編】カセットテープで聴くドライブソング

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重宝した「FM STAITION」のカセットインデックス


僕にとっての80年代はちょうど中学、高校、大学に通った10年間だったので、もろ青春時代ということになります。あまりにも音楽が好きすぎてランチを抜いたお金を貯めてLPを買っていた高校時代。つまり、あの頃聴いた音楽は文字通り自分の “血” となり “肉” となっているわけです(笑)。

しかし、LPを買うのにも限界があり、救世主はやはり “エアチェック” の存在でした。本屋で『FM STAITION』を買ってきて、録音したい番組を探し、蛍光ペンで番組表に印をつけたものです。特に気に入っていたのは “スタジオライブ” だったのですが、そういう番組はたいてい夕刻にオンエアされることが多く、親が電気をつけたり、冷蔵庫を開けたりするたびに、雑音が入るので非常にムカついたのも今になれば良き思い出です。

もちろんFM STAITIONの付録についていたカセットインデックスを切りとり、タイトル部分はレタリングシートを買ってきて、丁寧にタイトルを擦ったものです。あの擦るタイプのレタリングって “A” がすぐになくなっていつまでも “Z” が残ってしまうんですが、同世代の人にしかわからないネタですね。

当時作ったカセットはもちろんテーマ別に作ったものが多かったのですが、今回選曲させていただいたような、“夕暮れに聴きたいバラード曲” のカセットも作ったことがあると思います。おそらくタイトルは『Twilight Ballade』だったと思いますが(笑)。今回は46分テープに収録することを想定して、恋人たちが雰囲気よく寄り添う夕暮れにぴったりの10曲を選んでみました。すべて80年代にリアルタイムで聴いた曲ばかりです。

【A-1】夏をかさねて / 今井美樹(1988年)


アルバム『Bewith』から。
今井美樹の3枚目のオリジナルアルバム『Bewith』の1曲目に収録されたスローナンバーで、今井美樹のアルバムには欠かせない、コンポーザー・柿原朱美が提供した楽曲です。海の見える部屋で過ごす恋人達のティータイムから夕暮れへの時間軸が展開されている名曲なのですが、シチュエーションがやたらバブリーなのは1988年だからかもしれません。



【A-2】海 / サザンオールスターズ(1984年)


アルバム『人気者で行こう』から。
80年代の夏の海には欠かせなかったのは、やはりサザンです。伊豆の海に行くときにはドデカホーンと呼ばれた重低音バリバリのラジカセでサザンを聴いたものですが、帰りの車の中ではこの曲を聴いてやたらセンチメンタルな気持ちになったものです。個人的にサザンの曲の中で一番好きな曲。

【A-3】Last Summer Whisper / 杏里(1982年)


アルバム『Heaven Beach』から。
昨今のシティポップブームで、再評価されているのが杏里の4枚目のオリジナルアルバム『Heaven Beach』。このアルバムを聴いて杏里ファンになったので、もろ青春の1枚です。長年このアルバムが一番好きだと言い続けて来たので、再評価は嬉しいんですが正直「発売から40年間なんで気付かなかったんだよ!」と声を大にして言いたいです(笑)。角松敏生が書き下ろしたこの曲は、現在杏里のナンバーで一番人気のある曲です。



【A-4】シーズン / 小森田実(1989年)


アルバム『SQUALL』から。
SMAPの大ヒット曲等で有名なコンポーザー小森田実が、1989年に発表したファーストアルバム『SQUALL』。大学4年生の夏に毎日のように聴いたアルバムで、これぞ“わが青春”的な1枚です。特にこの曲は夕暮れにぴったりのバラードなのですが、収録されている曲がどこか切なさを帯びているのは、小森田さんのボーカルのせいでしょうか? そういえばちょうどこの時期に、知り合いに連れられて小森田さんの家に遊びに行ったことがあるのですが、小森田さんからCDの見本盤をたくさんいただいたのを思い出します。小森田さん、その節はありがとうございました(ここで言うな!)。

【A-5】二人だけ / 八神純子(1982年)


アルバム『夢見る頃を過ぎても』から。
八神純子の4枚目のオリジナルアルバム『夢見る頃を過ぎても』は、オリコンの最高位2位を獲得した大ヒットアルバムですが、この曲はラストに収録された名バラードです。作詞は八神純子本人なのですが、作曲と編曲は大村雅朗が手がけた、カセットのA面の最後にふさわしいバラードです。タイトルからして、八神純子版「ウィ・アー・オール・アローン」といったところでしょうか?

【B-1】夕涼み / 松任谷由実(1982年)


アルバム『PEARL PIERCE』から。
カセットのB面の1曲目は、ユーミンの夏の名盤『PEARL PIERCE』から選びました。ユーミンの曲は五感を刺激される曲が多いのですが、この曲は特に五感を刺激されまくります。サーファーカップルの、夏の夕暮れのガレージの想い出が描かれているこの曲ですが、日焼けの火照った体に、車を洗うホースの水しぶきが当たる感触まで感じることができる名曲です。



【B-2】夏の行方 / 稲垣潤一(1983年)


アルバム『J.I.』から。
稲垣潤一の夏の曲と言えば「夏のクラクション」を想い浮かべる方もたくさんいらっしゃると思いますが、今回選んだのは、3枚目のアルバム『J.I.』に収録されているこの曲です。このアルバムには「夏のクラクション」も収録されていますが、ギラギラした夏ではなく、夕暮れや夏の終わりに聴くのにぴったりのサウンドが特徴です。急に秋の風が心に吹き込んでくるあの感覚を体感できるバラードです。

【B-3】頬に夜の灯 / 吉田美奈子(1982年)


アルバム『LIGHT'N UP』から。
吉田美奈子を最初に聴いたのはアルバム「MONSTERS IN TOWN」で、当時カセットテープを買って聴きました。そして、アルバム『LIGHT'N UP』に収録されたこの曲が彼女の楽曲の中でもっとも好きな1曲です。吉田美奈子の音楽は夕暮れから夜にかけて部屋の灯りを付けずに聴くのが好きなのですが、とてもムーディーでおすすめですよ。



【B-4】サイレンスがいっぱい / 杉山清貴&オメガトライブ(1985年)


今回選曲した曲の中で、この曲だけシングルとして発売された曲です。80年代、杉山清貴とTUBEをよく聴いていたのですが、ギラギラした真夏の歌よりも少し季節を外した時期のバラードを好んで聴いていました。この曲はオリジナルアルバムに収録されなかったのですが、作曲・編曲を林哲司が手がけているので、イントロから泣ける名バラードです。

【B-5】セイシェルの夕陽 / 松田聖子(1983年)


アルバム『ユートピア』から。
今回選曲したカセットのラストを飾るのは、松田聖子の名盤『ユートピア』からの1曲です。このアルバムには「マイアミ午前5時」という曲も収録されていて、まだ見ぬ外国の風景をこのアルバムに見せてもらったものです。特に「真っ赤なインク海に流してる」という松本隆の描き出す描写が素晴らしいですね。



―― ということで今回は、“カットテープで聴くドライブソング「夏の夕暮れチルアウト」”というテーマで10曲をセレクトさせていただきましたが、いかがだったでしょうか? 今回は皆様に聴いて欲しかったので、あえてSpotifyで配信されている曲をセレクトさせていただきました。

当時はカセットテープに録音をしていたのですが、46分テープに収録するには当然ですが、それ以上の時間をかけて1本のテープを制作するわけです。カセットテープという制限あるフォーマットに、自分の思いのようなものを封じ込める作業に命を懸けていたと言ってもいいでしょうね。80年代は今のように便利な世の中ではありませんでしたが、あの時代に聴いた音楽が現在の自分を形成しているのだと、今回選曲をしていて改めて実感いたしました。


2022年7月2日に掲載された記事をアップデート

特集 FMステーションとシティポップ

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2023.07.11
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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