そして、オーケストラル・ヒットをポップスの世界に浸透させた最大の立役者と言えば、トレヴァー・ホーンだろう。彼は、MTV 開局第1号オンエア楽曲である「ラジオスターの悲劇(Video Killed The Radio Star)」で有名なバグルスやプログレッシブ・ロックバンド、イエスのボーカリストであり、また、バンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」にはプロデューサーとして参加している。
トレヴァー・ホーンが、自身のプロデュースによるイエスの「ロンリー・ハート(Owner Of A Lonely Heart)」のイントロで、当時最先端だったフェアライトCMI というオーストラリア製のサンプラーを駆使してオーケストラル・ヒットを作り出すと、それは瞬く間に一世を風靡し、彼は一躍時の人となった。それ以前にも、彼がプロデュースした ABC の「ルック・オブ・ラヴ」で既にオーケストラル・ヒットの萌芽を見ることができるし、後のフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「トゥー・トライブス」でもふんだんに使われた。
Billboard Chart ■ Video Killed The Radio Star / The Buggles(79年12月15日 40位) ■ Do They Know It's Christmas? / Band-Aid(85年1月19日 13位) ■ Owner Of A Lonely Heart / Yes(84年1月21日1位) ■ The Look Of Love(Part One) / ABC(83年1月8日 18位) ■ Two Tribes / Frankie Goes To Hollywood(84年12月15日 43位) ■ Bad / Michael Jackson(87年10月24日1位)