10月8日
これぞ、ひとりクイーン! ジム・スタインマンが作った究極のラブソング
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エア・サプライのシングル「渚の誓い」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
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photo:Discogs  

共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol. 31
Making Love Out Of Nothing At All / Air Supply


80年代の日本ドラマを語る際に避けては通れない人気作『スクールウォーズ』(84~85年)の主題歌は、麻倉未稀の「ヒーロー」だった。同曲は、映画『フットルース』(83年)のサントラに収録されていたボニー・タイラー「ヒーロー(Holding Out For A Hero)」の日本語カバー。

このボニー・タイラー版「ヒーロー」を作曲・プロデュースしていたジム・スタインマンが『フットルース』直前に世に送り出した大ヒット曲こそが、80年代29番目に誕生したナンバー2ソング、エア・サプライ「渚の誓い(Making Love Out Of Nothing At All)」(83年10月3週2位)だ。

80年代前半のエア・サプライといえば(特に80~83年)、立て続けに10曲のトップ40ヒットを連発。うち8曲がトップ5を記録して、派手なブリティッシュ勢やバブリーなブラコン・フュージョン勢が隆盛なメインストリーム・シーンにおいて、「真正面から清涼感溢れる真摯な正統派ポップ感覚」を武器に大健闘を見せていた。

そしてここ日本では、勝手につけられた、海・夏のイメージにうまく乗って高い知名度を獲得してはいたが、共有感100%に迫るような決定的なヒットソングがあるというわけではない。共有感50~60%ヒット作品の積み重ねが、100%に近い “アーティスト共有感” を形成し、特異な例となっていたのである。

しかしグループにとって最後のトップ10ヒットとなった「渚の誓い」だけは、エア・サプライのレパートリーにおける最大公約数的な共通認識イメージから、ちょっとかけ離れた位置にあったことに気づいていた方も多いのではないだろうか。

そう「渚の誓い」は、エア・サプライのレパートリーであったと同時に、ジム・スタインマンの作品(作曲・プロデュース)だったのだ。

ジム・スタインマンの名声は、巨漢シンガー、ミート・ローフの大出世作アルバム『地獄のロック・ライダー(Bat Out Of Hell)』で確立された。現在まで全世界で4000万枚超のセールスを誇り、歴代アルバム売上のトップ10に入るモンスター作品であるこの作品は、作曲・作詞・プロデュースをジムが手掛けている。

彼が作り上げた作品はほぼ共通の特徴があって、実にわかりやすい。ドラマティック、シアトリカル(劇場的)、オペラティック。力強くも繊細なピアノ旋律、多用される分厚く煽情的なコーラス、喜怒哀楽を直情的に表現したヴォーカルを前面に押し出す。これらを混然一体化して押し引きを盛り込んで一大絵巻に仕上げる、といったところ。

4分のシングル曲作品で、ジェットコースタードラマを1クール分一気に見せられた感じ。いわば大仰な “ひとりクイーン” とでもいえばよいか。

そんなジムがエア・サプライから白羽の矢を立てられて、見事に期待通りに仕上げたのが「渚の誓い」だったのだ。

“ささやき方も知っている、泣き方も知っている、答えの在りかも知っている…” 

なんでも知っているというその羅列の後にどーんと “でも君の手離し方だけはわからない” という、究極のラブソング。

時に効果的な “羅列~転結” という(サム・クック「ワンダフル・ワールド」以来の)歌詞手法が、ジム・スタインマンサウンドとラッセル・ヒッチコックの感動的な融合に華を添えていたのも見逃せない要素である。

奇しくも「渚の誓い」のトップ到達を阻んだのが、やはりジムが作曲・プロデュースを担った、ボニー・タイラー「愛のかげり(Total Eclipse Of The Heart)」だった。

ジム・スタインマン作品がビルボード・シングルチャートの1位、2位を独占するという偉業が達成されたのだが、既にナンバーワンを獲得済みだったエア・サプライが、それまで3位が最高記録だったボニー・タイラーにトップの座を譲る形となった。サイドストーリーまでドラマティック!

その後ジムは93年に、自己の集大成的な究極のドラマティック・ラブソング「愛にすべてを捧ぐ(I’d Do Anything For Love)」をミート・ローフに歌わせて、堂々の1位を獲得。さらにジム・スタインマン史上最大の名曲だった自己名義作品「ロックンロール・ドリームス・カム・スルー」が、同じくミート・ローフによってリバイバルヒットしている。


脚注:
Air Supply
■Making Love Out Of Nothing At All
(83年10月3週2位)

Bonnie Tyler
■Total Eclipse Of The Heart
(83年1位)

Meat Loaf
■I’d Do Anything For Love
(93年1位)

Jim Steinman
■Rock And Roll Dreams Come Through
(81年32位)

2017.06.29
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  YouTube / AirSupplyVEVO 


  YouTube / bonnietylerVEVO 


  YouTube / JimSteinmanVEVO 
 

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