3月8日
あしたのジョーとジョー・ストラマー、二人のジョーを受け継ぐ森山達也
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1967年に連載がスタート。70年のよど号ハイジャック事件では、犯人である赤軍派のメンバーが「われわれは明日のジョーである(原文ママ)」という声明文を残した。

そして反体制のヒーローであったボクシング漫画の金字塔『あしたのジョー』の人気が再燃したのは80年。

主人公・矢吹ジョーとライバル力石徹の戦いを描いたテレビアニメのダイジェストが映画『あしたのジョー』として3月8日に劇場公開された。
 
白湯すら飲めない過酷な減量を自らに課し、ワンランク下のバンダム級でジョーとの闘いに挑む力石。そこに全身全霊をかけるジョー。闘うことでしか、お互いの友情を示すことが出来ない二人。そこに人生のすべてを賭ける不器用な人間模様が、当時小学6年生の自分には大きな衝撃だった。
 
つまり、それは、お金では決して買えない圧倒的な価値観が世の中にあるってことだと思う。そして、この価値観こそがロックなのだと僕に気づかせてくれたのが、ザ・クラッシュのジョー・ストラマーだ。
 
直情的で不器用で前のめり。感情ほとばしるステージは、極東の島国でも多くのティーンエイジャーの人生を変えた。「金持ちになるなんて虚しいだけさ」と言い放ち、テレキャスターを掻き鳴らしながらジョーがシャウトする。時代や場所が違っても、すぐ傍にいてくれる兄貴のような存在だ。

80年、“16tons tour” と題されたツアーの真っ最中、当時封印していた初期の名曲「白い暴動(White Riot)」を熱望するコールが起こる。ジョーは、観客の熱意に負けプレイを始める。そんなジョーを楽屋でぶん殴ったギターのミック・ジョーンズ。常に前のめりに矛盾と戦い自問自答し、ファンと同じ目線にいた彼ららしいエピソードだ。
 
この二人のジョーの遺志を受け継ぎ、今なお最前線でデビュー時と寸分変わらぬ存在感を見せてくれているのが、ザ・モッズであり、そのフロントマンである森山達也だ。
 
森山の腕には、『あしたのジョー』のあの有名なラストシーン、真っ白に燃え尽きたジョーのタトゥが刻まれている。それは、矢吹ジョーのように、全身全霊、灰になるまで、自らのロックを全うするという決意表明ではないだろうか。そして、生前のジョー・ストラマーと親交が深かった森山は、常々クラッシュの精神を受け継ぐことが俺たちの役目だと語っている。

2016年10月15日、ザ・モッズはデビュー35周年のアニバーサリーとして行われた日比谷野外音楽堂のステージに立っていた。しかし、森山にとってここまでの道のりは平坦なものではなかった。

長年ギターを抱え派手なアクションを続けた結果の腰の持病に加え、さらにこの年の春、ライブ終了後に膝の痛みを感じて半月板損傷と診断された。

全国ツアーが始まった矢先、27か所の公演のうち23か所が中止や延期。治療の専念を余儀なくされた。ファンを大切にする森山の無念は計り知れないものがあるだろう。そして、野音公演の直前に左手首骨折のアクシデント。

満身創痍のまま、ステージに立ったその姿は、倒れても倒れても立ち上がる『あしたのジョー』そのものであった。
 
考えてもみれば、最盛期のザ・クラッシュのようなステージを36年も続けてきたザ・モッズが今なお現役続行中というのは、日本ロック界の奇跡だ。二人のジョーと森山達也が教えてくれた人生で最も大切な「決してお金では買えない圧倒的な価値観」は時代を超えて受け継がれていく。

2017.10.24
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  YouTube / theclashVEVO 


  YouTube / themods1981
 

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カタリベ
1968年生まれ
本田隆
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