6月21日

連載開始! EPICソニー名曲列伝:80年代と書いてEPICソニーと読む

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スージー鈴木です。さてこの「リマインダー」ではこれまで、「80年代音楽解体新書」というコンセプトで、数多くの記事を書かせていただきました。でも、ここでひと区切りということで、次回からは、新しい「連載」を始めたいと思っています。

題して「EPICソニー名曲列伝」。別名「80年代と書いて EPICソニーと読む」。

その先進的な音楽性で、80年代の音楽シーンを席巻したレコード会社=EPICソニー。レーベルの個性が見えにくい日本のレコード業界の中で、なぜ EPICソニーだけが、個性的なレーベルとして君臨できたのか。

その秘密を探っていきたいと思っています。しかしアプローチとしては、いわゆる通史ではなく、あくまで1記事・1曲のスタイルで、EPICソニーが残した名曲を批評しながら、その向こう側に見える EPICソニーの特異性を描き出していきたいと思います。

では具体的に、EPICソニーには、どんな曲があったのでしょうか? この輝かしいラインナップをご覧ください(これらの曲を時系列で取り上げる予定です)。


1.ばんばひろふみ『SACHIKO』(1979年9月21日)

2.シャネルズ『ランナウェイ』(1980年2月25日)

3.佐野元春『アンジェリーナ』(1980年3月21日)

4.佐野元春『SOMEDAY』(1981年6月21日)

5.一風堂『すみれ September Love』(1982年7月21日)

6.渡辺徹『約束』(1982年8月25日)

7.ラッツ&スター『め組のひと』(1983年4月1日)

8.THE MODS『激しい雨が』(1983年9月21日)

9.大江千里『十人十色』(1984年11月1日)

10.大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』(1984年9月21日)

11.テリー・デサリオ『オーバーナイト・サクセス』(1984年9月21日)

12.LOOK『シャイニン・オン 君が哀しい』(1985年4月21日)

13.渡辺美里『My Revolution』(1986年1月22日)

14.BARBEE BOYS『なんだったんだ? 7DAYS』(1986年10月1日)

15.渡辺満里奈『深呼吸して』(1986年10月8日)

16.小比類巻かほる『Hold On Me』(1987年2月26日)

17.TM NETWORK『Get Wild』(1987年4月8日)

18.鈴木聖美 with Rats&Star『ロンリーチャップリン』(1987年7月1日)

19.大沢誉志幸『ゴーゴーヘブン』(1987年9月2日)

20.鈴木雅之『ガラス越しに消えた夏』(1988年2月26日)

21.岡村靖幸『だいすき』(1988年11月2日)

22.BARBEE BOYS『目を閉じておいでよ』(1989年1月1日)

23.遊佐未森『地図をください』(1989年2月1日)

24.佐野元春『約束の橋』(1989年4月21日)

25.BO GUMBOS『魚ごっこ』(1989年7月1日)※アルバム『BO&GUMBO』

26.ドリームズ・カム・トゥルー『うれしはずかし朝帰り』(1989年9月1日)

27.ドリームズ・カム・トゥルー『笑顔の行方』(1990年2月10日)

28.バブルガム・ブラザーズ『WON'T BE LONG』(1990年8月22日)

29.真心ブラザーズ『どか~ん』(1990年9月21日)

30.岡村靖幸『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』(1990年10月10日)


圧倒的なラインナップだと思います。私が今これを見て、直感的に思ったことは、こういうことです。

(1)EPICソニーとはJポップだった:このラインナップは、基本的には歌謡曲ではなく、ロック系の楽曲がほとんどです。ただ、80年代までの日本ロックの一部が発していたある種の暑苦しさが無く、全体的にさらっと乾いたイメージの曲ばかりです。これは、言ってみれば、90年代以降の「Jポップ」の予兆だったのではないでしょうか。

(2)EPICソニーとはビジュアルだった:あと「絵が浮かびやすい」ことも、EPICソニー楽曲の特徴かもしれません。その「絵」とは、プロモーションビデオ(PV)だったり、タイアップCM だったり、もしくは80年代後半から始まった EPICソニーの番組=テレビ東京『eZ』だったりと様々でしょうが、とにかく、音だけではなく、ビジュアル面まで工夫が凝らされている音楽が多かったと言えるでしょう。

(3)EPICソニーとは、つまるところ佐野元春だった:EPICソニーが統一的なイメージを持ち得たのは、そのまん真ん中に佐野元春がいたからではないかと考えます。そして、佐野元春が生み出した日本語の歌い方の影響下にあるボーカリストが多かったことも、レーベルの統一感を形作っている気がします。

そんな仮説を、実際に音を聴きながら検証していきます。そして、EPICソニーを通して、日本の音楽シーンの未来まで、視野を広げられればと欲張ります。我ながら楽しみです。

ばんばひろふみ『SACHIKO』に始まり、岡村靖幸『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』で終わる計30曲。おそらく今年いっぱいはかかる仕事になると思います。気長に、末永くご期待下さい(書籍化のオファーも心よりお待ちします)。


 一歩踏みだせば 誰もがヒーローさ
 もしそれが 誰かの罠だとしてもだ

※佐野元春『君をさがしている(朝が来るまで)』より


まずは次回、EPICソニーの屋台骨を作った1979年のヒット曲=ばんばひろふみ『SACHIKO』からスタートです。


2019.02.27
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