日本でも放送された(テレビ東京だったと思う)アメリカの刑事ドラマ「特捜刑事 マイアミ・バイス」にハマッてしまい、毎週見ていた時期があった。
ドン・ジョンソン演じるソニー・クロケットはフェラーリ(本物とレプリカを使い分けていたらしい)に乗り、いかにもマイアミという服装でカッコよく、相棒のフィリップ・マイケル・トーマス演じるリコはスーツに身を包んだニューヨークスタイルと、対照的な刑事二人が活躍する潜入捜査官のドラマだ。彼らの上司であるキャステロ(エドワード・J・オルモス)も、シブい役柄で実にいい味をだしていた。
いつもなんか釈然としない終わり方で、見た後にモヤモヤと考えさせられるストーリー。スッキリしないことが多いドラマだったが、それも「マイアミ・バイス」の特徴だろう。毎回変わるゲスト出演者も豪華だし、ドラマのシーンとシンクロして要所要所で流れてくる音楽も大きな魅力のひとつだった。
真夏の太陽を思い浮かべるようなテーマソングはヤン・ハマー。ヤンはジェフ・ベックやコージー・パウエルのソロアルバムにも参加していたり、独特の演奏スタイルで数々の有名ミュージシャン達と共演している売れっ子キーボーディスト。
憂鬱になるようなシーンでよく流れてきたのは、フィル・コリンズが1981年にリリースした初のソロアルバム「フェイス・ヴァリュー」から「夜の囁き(In The Air Tonight)」。ドラマの1シーンに効果的に使われ、見ていて何とも言えない気持ちにさせられたのを覚えている。
他にもチャカ・カーン、ティナ・ターナーなど有名アーティストが参加しているが、その中で最も印象深い曲は、今年の1月にこの世を去ったグレン・フライの「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」。イーグルス解散後、ソロとしてのヒット曲のひとつであるが、イントロのサックスを聴いた瞬間に「この曲イイんじゃない!」と思ってしまったグレン・フライの超名曲。とにかくドラマのストーリーと相まって、アダルトな曲調がマイアミの夕暮れと都会の雑踏をイメージさせ、暑い夏の夜によく似合う曲である。
サウンドトラックの良さに気づかされた「マイアミ・バイス」であったが、真夏の夜の首都高をドライブすると妙に聴きたくなるんだよなあ。
2016.08.08
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