9月12日

シチュエーション・コメディ「タクシー」やっぱり眩しかったアメリカのドラマ!

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1980年前後のイギリスのテレビ局事情って?


最近、『Amazon プライム』のお陰で以前よりも映画を見る機会が増えた。そして、普段はほとんど見ることのない連ドラにもハマった。こういった配信サービスは、最新ではなくても好きなときに好きなだけ見られる気軽さがありがたい。

さて、今から40年ほど前の子供時代、イギリス滞在中、テレビは公共放送局の BBC1 と BBC2、そして民放の ITV の3局しかなかった(途中で民放のチャンネル4が加わった)。とはいえ、それが少なすぎるのか、十分なのかあまり考えたこともなかったのだが、暇なときはテレビのスイッチを入れて何かしら観ていたものだ。

音楽番組など、言葉がわからなくても楽しめるものはもちろんだが、言葉がわからなくてもなんとなくわかるもので、ドラマもよく観た。

イギリスで放送されていた充実のテレビドラマ


イギリスのテレビドラマといえば、まずは歴史物。日本もそうだが歴史物はいつの時代も人気があるようだ。馬車と石畳。もしくは森と馬。もちろんヒーローとヒロイン。さまざまな時代を象徴する衣装も興味深い。

それから忘れてならないのは “ソープオペラ”。当時の二大ソープオペラといえば『コロネーション・ストリート』と『クロスロード』。淡々と進行しながらも時代の “らしさ” を切り取りつつ、なんと『コロネーション・ストリート』はいまだに続いている。とはいえ当時、真剣に観たことはなかったが、一度観始めるとそのときのテーマが終わるまでなんとなく気になってしまう不思議な魅力があるドラマだった。イギリス国民にとっても振り返ると常にいてくれるさりげない友達のような存在ではないだろうか。

その他、コメディドラマや学生もの、魔法もの、そして探偵ものetc... そういえばホラーも人気があった。

ゴールデンタイムに放送されていたキラキラしたアメリカのドラマ


そして、これはあまり日本ではないことだけれどゴールデンタイムにアメリカのドラマがよく放送されていた。たとえば『チップス(日本では、白バイ野郎ジョン&パンチ)』『スタスキー&ハッチ(刑事スタスキー&ハッチ)』『ハート・トゥ・ハート(探偵ハート・トゥ・ハート)』『チャーリーズ・エンジェル』『ダラス』『フェーム』『Aチーム(特攻野郎Aチーム)』『インクレディブル・ハルク(超人ハルク)』『ハワイ・ファイブ・オー』『ナイトライダー』etc… 挙げればきりがない。

そして、さすがにゴールデンタイムではないが、新しいものに限らず古い白黒の連ドラもよく観たものだ。そのお陰で一時私は小学生ながらも危うく “枯れ専” になりかけた。

白黒も含め、そういったアメリカのドラマは、なんと言ってもキラキラしていた。元気一杯の雰囲気があり、明るく、そして決定的なことは、スケールが大きくてお金がかかってそう(笑)。当然アメリカで大ヒットしたドラマが取り上げられるのでイギリスでも大人気。

シチュエーション・コメディ、略してシットコムの面白さとは?


その中でもシットコム、つまりシチュエーション・コメディと呼ばれる類のドラマは味があって面白い。なぜドラマに笑い声が入っているのか当初は不思議だったけれども、そのお陰で私にとっては「何を言っているかわからなかったけれど、ここは笑うところなんだな」と言葉の壁を補ってくれる役割もあった。日本でも『ファミリー・タイズ』や『フルハウス』など人気があったが、私が好んで見ていたシットコムのひとつが70年代から続いていた『タクシー』。

シットコムを理解するには、やはり言葉がわからないと難しいのだけれど、テンポが良いしオチもあるので、その世界観が好きであれば一言一句わからなくてもなんとなくずっと観ていられる。ソープオペラに少し似ているのだけれど、コメディならではの明るい救いがある。そして何より、アメリカという未知の国を感じるワクワク感。たとえば、同じ英語だけれど発音が全然違うのもとても不思議だった。ほとんどの日本人はアメリカ英語に最初に触れるだろうが、私は逆だったのでアメリカ英語の “新しい感” に違和感はあったが、眩しかった。それからちょっとした空間も広々としていて、イギリスや日本とは違う “大きな国” 感にも憧れた。

アメリカ発シチュエーション・コメディ「タクシー」


『タクシー』はニューヨーク・マンハッタンのタクシー会社の人間模様がテーマで、タクシードライバーとして働くかたわら、夢を追いかける若者たち、そしてそのまとめ役である(唯一のタクシードライバーとして働くタクシードライバー)アレックスを中心に彼らの日常が描かれている。人種問題やギャンブル、薬物問題、離婚やシングルマザー、バイセクシュアル、いろんな背景をもった登場人物の巻き起すドタバタ劇で、常に哀愁漂うのは成功者からの視点ではないから。でも、どっこい強く(他者から見ると)面白く生きている。

ちなみに途中からの参加ですぐに人気者になったイギーは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー・トゥ・ザ・フューチャー』のドクを演じたクリストファー・ロイド。両者共々エキセントリックだけれど愛すべきキャラクターがピカイチで、それこそイギーはドクのタイムカプセルのようだ。

「タクシー」は本国のアメリカでもエミー賞、ゴールデングローブ賞を何度も受賞する人気作品だったわけなのだが、「底抜けに明るいわけじゃない国民」のイギリス人にもシックリくるものがあったのではないかと思う。

番組を彩るテーマ曲、ボブ・ジェームス「アンジェラ」


ゴールデンタイムに異国のドラマを大量に流すのは、おそらく予算的な問題などもあったのだろうかと思うのだが、他の国の人々の生き方を日々目にすることは悪いことではない。共通の言語がさらにその状況把握をたやすくしていたとは思うが、ドラマには説明的な言葉で語られる以上に伝わる “何か” があって、それによって他者や他国への憧れやシンパシーも生まれる。

テレビ番組を振り返ってみると、どの番組にも優れたテーマソングがあったことに気づく。この『タクシー』のオープニングとエンディングに流れる哀愁漂うテーマ曲、ボブ・ジェームスの「アンジェラ」も秀逸。マンハッタンのイーストリバーにかかるクイーンズボロ・ブリッジを運転している車からの映像と共に流れるテーマソングを聴いていると、運転免許も持っていないのに、ずっとずっとタクシーを運転しながらニューヨークの橋を走り続けていたいと思ってしまう。そしてエンディングロールと共に、“人生に後ろ向きになってしまう夜でも明日は来るのだ” と思わせてくれるのだった。

ちなみに、このクイーンズボロ・ブリッジはサイモン&ガーファンクルの「59番街橋の歌」のタイトルになった橋。私の中では歌詞に出てくる街頭や小石といった言葉から勝手にこの歌の橋は歩いて渡るような小さめな石橋のイメージだったので『タクシー』のあの橋と知ったときは大きく混乱した。改めて聴き、その疾走感に追い付いてもやっぱり混乱して笑ったものだ。

2019.11.20
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