2017年9月17日の氣志團万博2日目、その日は台風だった。
関東地方は直撃こそしなかったものの、時折猛烈な風が吹き、雨はずっと強く降っている。秋晴れの下でビール飲みながら、心地よくライブを楽しむはずだったのになぁ… と、正直私の気分はダダ下がりだった。
大好きな岡村靖幸の後に、ツアーではなかなかチケットがとれない山下達郎が出るというから参戦を決めたのだが、大雨の中、私の気分はどんどん落ちていく。岡村ちゃんライブでなんとか気分は上がったのだが、その後も雨は強く降り続き、達郎登場までの待ち時間がつらい。寒い。足元は泥まみれだ。
だが、達郎がステージに登場し、演奏を始めると、私はすぐに引き込まれた。このイントロは、もしや……
海辺にバイクを止めて
一瞬マジにお前を
抱いた Lovely Night
やっぱり。マッチの「ハイティーン・ブギ」だ! そうか、これ達郎作曲か。カッコいい、カッコいいけど、1曲目になぜこれを?
はっ、ここは氣志團万博。ツッパリ少年の真心を歌った「ハイティーン・ブギ」って、氣志團にぴったりじゃないか。そういや、綾小路翔は、自称 “永遠の16歳” だっけ。
64歳が歌う「ハイティーン・ブギ」に胸ときめかせながら、私の頭の中でそんな思いがぐるぐる巡る。すると「ハイティーン・ブギ」を歌い終えた達郎はこう言った。
「雨と風で体が冷えるので、急遽セットリスト変えました。バラードやりません!」
そして、「SPARKLE」「BOMBER」「硝子の少年」「アトムの子」「恋のブギ・ウギ・トレイン」と、アップテンポの曲が次々に繰り出される。なに? なんなの? この怒涛の流れは。達郎に詳しくない私でも知ってる曲ばっかりで、めちゃめちゃ楽しいんだけど。
それだけじゃない。達郎はステージ前方に設けられた花道を悠々と走り抜けると、後方に向かい、なんとセットに駆け昇った。64歳なのに! 大物なのに! ここまでやるの?
さらに、だ。コーラスに達郎夫人の竹内まりやまで登場だ。
ラストは、「さよなら夏の日」。この時季にぴったりじゃないか。しみる。やられたよ。普通に淡々と演奏したってありがたがられるアーティストなのに、ここまでサービス精神旺盛に、観客をもてなすって…。
このあとも雨は強く降り続き、足元は泥まみれだったが、もう私の気持ちは上がったままだった。はじめての山下達郎、ほんと圧巻。
これで決まりさっ、それがサイコー♪ 以上。
歌詞引用:
ハイティーン・ブギ / 近藤真彦
2017.10.04
YouTube / ネルマッチャン
YouTube / junji nakano
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