2017年9月20日の武道館、その来日コンサート直前のデュラン・デュランライブ。
毎年9月、シンガポールのF1グランプリは国をあげてのお祭りになり、会場内にはいくつものコンサート会場が設置される。そして、沢山のアーティストが招かれF1フェスとなる。
今年のヘッドライナーはカルヴィン・ハリス とアリアナ・グランデ! だけど私にとってのヘッドライナーは何と言ってもデュラン・デュラン! 残念ながらスケジュール的に武道館にいけない私にシンガポールで会うチャンスが巡って来た。このチャンスは逃せない。
デュラン・デュランのコンサートは土曜日、日曜日の2日あり、私が行けるのは土曜日のみ。残念ながら、メインステージではなくサブステージ。しかも、時間はレース直前の20:00~21:00の1時間、レースが始まってしまうから絶対に延長は無い。この限られた時間、彼らは絶対に楽しませてくれるはず…
熱気のこもる19:30に会場に着くと思ったより小さいステージに驚いた。ゲート入ってすぐのちょっと通路の広いあたりにステージが設置してある。大きめのスクリーンも設置してあるけどそこまで大きくないステージ。しかも、まだまだ人は少ない。こんな距離でこんな規模で観れちゃうの?
心配をよそに19:55。それまでスクリーンでやっていたレースの映像が消え、静かにスモークが舞台から流れ出した。来た! 始まる! 高揚感MAX!
スモークの中からメンバーが現れる。この暑さの中でジョンもニックもジャケット着用でバリバリにカッコイイ。暑さなど関係なく一番見たい姿を見せてくれる… 期待を裏切らないあたりはさすが。
サイモンはジャケット無しでTシャツだけだったけどセクシーなピタT。ある意味、期待通りのパフォーマンス。
この日までに、だいたい同じセトリで来ていたのにこの日は時間に制限があるからかガラッと内容を変えて来て、誰でも知っている昔の曲からのヒットパレード。
短い時間でも盛り上げられる仕掛け、そんなところにも自分たちの曲を聴いてくれる人たちを大事にする彼らの人柄が表れていたような気がする。
サイモンの変わらない声にも感動させられた。全然衰えていない声、しかも本当に楽しそうに歌う。どの曲もむかし聴いたあの声の伸びと張りで歌い上げてくれる。それで、舞台を端から端まで所狭しと走り回って全ての観客にサービスしてくれる。この暑さの中… プロだ…
どの曲も素晴らしかったなか、今回、盛り上がったのが 何と言っても「ザ・ワイルド・ボーイズ」。
この曲の歌詞はザ★男。「俺たち」感が全面に出ていてまさにPVの通りマッドマックス風。それが、その世代ど真ん中の観客の心を掴む、掴む。周りのおじさま達もビール片手に大合唱! 心はすっかり、ワイルド・ボーイズ!
Wild boys (Wild boys) never lose it
Wild boys (Wild boys) never
Chose this way
Wild boys (Wild boys) never
Close your eyes
Wild boys always shine
考えてみたらこの曲ほどF1に相応しい曲はない。ナイフの刃の上のような極限の世界での戦い、その勝者が輝かしい栄光を手にいれる。しかも、その栄光は常に死と隣り合わせ。格闘家のミルコ・クロコップの入場テーマ曲もこの曲だったし、戦う男のイメージ感は世界共通。
世界最速の最高の男を見に来た私たちが、このサビを叫びながら、マッドマックスなノリの「俺たち」になって、そこにいる全員が血を沸騰させ、レースに繰り出す準備を始めるのだ。
そんな熱気が伝わってかサイモンもノリノリ。ジョンと肩を組んで「Wild boys!」と叫ぶ、叫ぶ。観客も叫ぶ、叫ぶ。
気温が30度もある熱気の中、更に温度を上げシャウト! サイモンも汗だくの中、伸びのいい高い声を張り上げる。周りの「俺たち」も拳を上げて答える。締めの “Wild boys always shine!” での一体感。その高音 “ SHINE ! ” で頭の中は一気に真っ白だ。
最後の曲「リオ」でコントみたいな量の紙吹雪を観客席に撒き散らしてこの日は終了。たった1時間のコンサートなのに、気持ちを最高潮に盛り上げてレース観戦に送り出してくれた。
私はといえば、マッドマックスな気持ちをレース会場へ持ち込み、エンジンの爆音と “SHINE!” が頭の中でシンクロし続けて、テンションは最後までMAX。
最高の夜をくれたデュラン・デュラン、今でも、本当に最高のWild boysだった。
歌詞引用:
ザ・ワイルド・ボーイズ
/ デュラン・デュラン
2017.10.07
YouTube / DuranDuranVEVO
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