音楽史上、この人のことを忘れてはいけない。アイスランド出身のまさに生きる芸術、ビョーク。ふと思い出して、昔のMVを観てみると当時と同じように胸が高鳴って涙が出てくる。全く初めて聴いた声質、特殊なリズムにのる重厚できれいなストリングス。どこか切ない懐かしいような旋律。独特な感性による奇妙なビジュアル表現。すべてにおいて衝撃を受けた。
日本で最も有名なのは、ソロアルバム『ホモジェニック』だと思うが、20代前半、ビョークは1986年から1992年に活動していたシュガーキューブスというバンドのメンバーだった。当時の彼女はとにかくかわいいが、ヴォーカリストとしての類まれな才能は、素人が聴いてもすぐにわかる。
ビョークの出身であるアイスランドは、北ヨーロッパの北大西洋上に位置していて、火山によってうまれた島国である。日本の北海道と四国を足したほどの面積で、氷河の浸食作用によって形成されたフィヨルドや火山活動も盛んなため、この国土特有の神秘的な自然現象がみられる。MVにもよく出てくるのでぜひ見て頂きたい。そのアイスランドの自然界の力をすべて味方につけて表現したような、魂をゆさぶるビョークの声。
シュガーキューブスは、パンク、オルタナティブ・ロック、ニューウェーブの要素を含むが、彼女だけが曲を作っていたわけではないこともあり、私たちがよく耳慣れたリズムやコード進行、曲構成もみられ、最近のビョークの楽曲があまりにも崇高すぎてわからんという方でも、easy listeningで楽しめるサウンドである。80年代から90年代に移行する時期で、音楽的に新旧いろんな要素が混ざっていて面白い。
同バンドのギタリストとの間に子供を授かっており、妊娠中に大きなお腹をだした衣装でライブしている映像も見たことがあって、ぶっとんでるなーと。他にも、少し特徴のある英語でしゃべりまくってる姿や、ステージでの圧倒的パフォーマンス。どのポイントをつかんでも、凡人の私には理解できないビョークのすべてが、私の興味を満足させてくれて、いつも私は彼女を愛してやまないのである。いつかアイスランドに行って、ビョークの軌跡を追ってみたい。
2016.12.27
YouTube / Women Who Rock
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