7月25日

1980年代【テレビから聞こえてきた音楽 ドラマ編】男女7人夏物語、青が散る…

61
0
 
 この日何の日? 
TBS系ドラマ「男女7人夏物語」放送開始日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1986年のコラム 
1986オメガトライブ「Navigator」カルロス・トシキのナイーヴなヴォーカル満載!

永遠のチャンピオン ー 大場政夫とジャーニーの「翼をひろげて」

フォー・ユア・ラブ、チャンピオンの放心と柳ジョージのバラード

ライブの聖地「日本武道館」その目的は自国伝統の武道を普及奨励すること

男女7人夏物語、主題歌の大ヒットはシャカタクと鶴太郎のおかげ?

ケニー・ロギンスは産業ロック?「フットルース」と「デンジャー・ゾーン」

もっとみる≫



photo:テレパック  

ラジオの選曲テーマは「80年代 テレビから聞こえてきた音楽」


7月26日(水)の深夜、私こと親王塚リカがゲスト出演したRe:minderのラジオ番組『Wave Re:minder - 懐かしむより、超えていけ!』(BayFM)がオンエアされました。聴いていただいた方はありがとうございます! まだの方はradikoでは1週間アーカイブされるのでよかったら聴いてね!

番組収録は蒸し暑い夏の夕方。初めてのラジオ番組で緊張しまくる私に、番組プロデューサーの楢戸氏やRe:minder番長のDJ、太田秀樹氏が気さくにサポートしてくれて雰囲気は和気あいあい! 抱腹絶倒かつ面白さ爆発の内容に仕上がりました。…と、勝手に思っていますが本当か?!笑。果たして気の利いたボケが入れられたかどうかなどが気にかかります。

ラジオの選曲テーマは「80年代 テレビから聞こえてきた音楽」。前半7月26日は「ドラマ編」と題してドラマ主題歌を中心にセレクトしました。80年代という流れを考えて、特に順位はつけずに時系列に並べています。また、大映ドラマやトレンディドラマといったメガヒット&王道ジャンルは極力省き、小爆発的な人気を呼んだドラマを集めてみました。

それではいってみよー!(by ひょうきん族の山田邦子)

桃井かおりと研ナオコが織りなすオトメチック爆笑喜劇


「ちょっとマイウェイ」(1979.10~1980.3)
◆ 概要:日本テレビ系土曜グランド劇場 / 土曜夜9時
◆ 主題歌:PAL「夜明けのマイウェイ」
◆ 出演:桃井かおり、研ナオコ、八千草薫

1969年から続く日本テレビの土曜ドラマ枠で、『キッド』や『池中玄太80キロ』を放映した「グランド劇場」シリーズの隠れた花形作品が、爆笑問題も大ファンと公言しているこの1979年作。脚本は鎌田敏夫や金子成人、音楽を荒木一郎が手がけた。架空の街、南代官山にある潰れかけのフランス料理店 “ひまわり亭” を復興すべく、三姉妹が奮闘するハートフルでキッチュで優しいコメディー。番組のコピーは「桃井かおりと研ナオコが織りなすオトメチック爆笑喜劇」だ。

桃井と研の「カツ子ちゃん?」「なつみ〜」のやりとりや、天然ボケがあまりにキュートな姉の八千草薫、緒形拳のやもめシェフに峰竜太のケツニなど、どの出演者も愛しすぎて悶絶する。主題歌はPALが歌った「夜明けのマイウェイ」。オープニング映像に使用した漫画家・倉多江美のイラストも印象的だった。

主題歌を含むサントラ盤『カリフォルニア・グレープフルーツ、フレッシュ・オレンジジュース』は荒木一郎プロデュースによる大傑作。どの曲もドラマ内でかかりまくりだったし、全曲歌えなかったらファンとしてモグリだと思う。



「ふぞろいの林檎たち」の前哨戦のような山田太一の傑作


「想い出づくり。」(1981.9~1981.12)
◆ 概要:TBS系金曜ドラマ / 金曜夜10時
◆ 主題歌:ジョルジュ・ザンフィル「想い出づくり。」
◆ 出演:古手川祐子、田中裕子、森昌子

古手川、田中、森が演じる結婚適齢期(24歳)を迎えた3人の女性が結婚前の “想い出” を作ろうと奮闘するドラマ。山田太一特有の生々しい人間描写が毎週これでもかと繰り返され、途中何度も当時裏番組だったフジテレビ系『北の国から』に鞍替えしようと思ったが、結局最後まで夢中で完走した。

想い出づくりに旅行に行こうとしてキャッチのチンピラ(柴田恭兵)に引っかかり、詐欺に遭う3人のコツコツと地味すぎる日常。それぞれが現状打破を求めて葛藤し、古手川はチンピラ柴田に恋をして地道な仕事を捨てスナック勤めになったり、田中は会社の上司と不倫したり、森は父の工場の社長の紹介でお見合いから結婚を考えたりと行動を起こし、反乱と革命を画策するがうまくはいかず、結局その反乱を「想い出」として離れ離れになっていってしまうのが切ない。

そんな生々しい切なさを彩る哀愁豊かな曲でパンフルートを奏でているのは、ルーマニア出身のジョルジュ・ザンフィルだ。1983年に始まる同じくTBS系の群像劇ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の前哨戦のような山田太一の傑作。



目が覚めるような淡さとまぶしさに満ちたイントロ、主題歌は松田聖子


「青が散る」(1983.10~1984.1)
◆ 概要:TBS系 / 金曜夜8時
◆ 主題歌:松田聖子「蒼いフォトグラフ」
◆ 出演:石黒賢、二谷友里恵、佐藤浩市

原作は宮本輝の同名青春小説。小説の舞台は大阪だったが、それを東京に変更して柳井満プロデュース、八木康夫企画でテレビドラマ化された。石黒賢や二谷友里恵、佐藤浩市、利重剛といった有名人の二世俳優を大フィーチャーして話題を呼ぶ。他、遠藤憲一や川上麻衣子なども出演し、新設大学のテニスサークルを舞台に、恋愛模様やモラトリアム感がきらきらと描かれた。

私は暗い目をした遠藤憲一が大好きで、貝谷朝海役の彼に恋をしていた。佐藤浩市は片思いに揺れる大学生を粗っぽくも情感豊かに演じた。主題歌は松田聖子。目が覚めるような淡さとまぶしさに満ちたイントロに導かれ、青春の光と影があの舌っ足らずのボーカルで綴られる。

作詞は松本隆、作曲は呉田軽穂(松任谷由実)のゴールデンコンビ。最初は15枚目のシングル「瞳はダイアモンド」のB面曲だったが、ほどなく両A面として販売されるようになったという。挿入歌として流れた宮本輝作詞、長渕剛作曲の大塚ガリバー「人間の駱駝(ひとのらくだ)」も良かった。サブタイトルが毎回「〜ラクダたち」(例:恋し始めたラクダたち)となっていたのは今思い出してもキュンキュンする。



明石家さんま主演、ウォーターフロントバブルなドラマの元祖


「男女7人夏物語」(1986.7~1986.9)
◆ 概要:TBS系 / 金曜夜9時
◆ 主題歌:石井明美「CHA-CHA-CHA」
◆ 出演:明石家さんま、大竹しのぶ、池上季実子

1986年の夏を席巻した元祖トレンディドラマ。トレンディドラマは割愛すると言ったが、明石家さんま(今井良介)と大竹しのぶ(神崎桃子)が出会い、後にリアルに結婚に至ったウォーターフロントバブルなドラマの元祖を書かないわけにはいかない。なぜならちょうど1986年施行された男女雇用機会均等法のエッセンスも取り入れた、鎌田敏夫の脚本による極上の恋愛ドラマでもあるから。

バリキャリの千秋(池上季実子)とライターの桃子との間で揺れる良介が親友の野上(奥田瑛二)に向かって打ち明ける「今やっとわかったんや。好きな人はだれかやっと気づいたんや」というセリフが、台風の中での桃子への迫力の大告白「俺はお前が好きやねや!」につながっていくのだ。

モノトーンで統一されていた隅田川沿いの良介の部屋もお洒落だった。オープニングを飾る情熱的なラテンムードの主題歌は、ご存じ石井明美。イタリアのダンスグループ、フィンツィ・コンティーニのカバーだ。劇中で使用されるシャカタクのインストも懐かしい。



ドラマ初主演の玉置浩二! 小林薫とのコンビは完璧!


「キツイ奴ら」(1989.1~1989.3)
◆ 概要:TBS系水曜ドラマ / 水曜夜9時
◆ 主題歌:玉置浩二「キ・ツ・イ」
◆ 出演:小林薫、玉置浩二、篠ひろ子

昭和と平成の狭間にスタートした久世光彦演出による人情劇タッチの水曜ドラマ。かつて金庫破りを生業にしていたインチキセールスマンの吾郎(小林薫)と、女にだらしがない後輩のチンピラ、完次(玉置浩二)が借金返済のため再度金庫破りに手を染めることになる。

物語はお涙頂戴のドタバタコメディーだが、なんと言っても金を稼ぐために飲み屋街をさすらう吾郎と完次の流しのシーンがハイライト! ある時はソンブレロ姿、ある時は着流しと、お揃いの衣装を着ておひねりの千円札で作られたレイをつけ、居酒屋の隅で昭和のムード歌謡を歌って歌って歌いまくるのだ。

正直連続ドラマ初出演となる玉置の演技は今ひとつだったけど小林とのコンビは完璧だったし、特に「ラブユー東京」のハーモニーは最高すぎた。エンディング曲は、玉置浩二のセカンドソロシングル。彼のパワフルかつスリリングなボーカルが堪能できるベリーファンキーチューンだ。フェイク込みの自在な咆哮と相まった、ソリッドなビート感のあるカッコいいナンバーで、アマゾンズによるコーラスもピリッとスパイスのように効いている。



―― さて、ドラマ編はいかがだったでしょうか。ちなみに8月2日(水)深夜にオンエアされる後半戦「80年代にテレビから聞こえてきた音楽」では、バラエティー編をお届けします。こちらもまたバラエティー番組を支えたタレントなどの変遷や深掘りトークとセレクトで楽しく聴かせる気満々なので、ぜひご傾聴くださいませ。よろしくお願いします!

▶ ドラマのコラム一覧はこちら!



2023.07.27
61
  Spotify
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1968年生まれ
親王塚 リカ
コラムリスト≫
62
1
9
7
9
ちょっとマイウェイ、桃井かおりと研ナオコが織りなすオトメチック胸熱コメディ
カタリベ / 親王塚 リカ
32
2
0
2
3
bayfm のラジオ「Wave Re:minder」と Spotify「⻩金の6年間」シーズン2がスタート!
カタリベ / 太田 秀樹
20
1
9
8
3
松田聖子「蒼いフォトグラフ」松本隆が描く “風街発横浜” の風情
カタリベ / 本田 隆
67
1
9
8
3
特別だった “1983年度の松田聖子”「瞳はダイアモンド」と「蒼いフォトグラフ」
カタリベ / 指南役
36
1
9
8
0
西田敏行の出世作「池中玄太80キロ」えっ!小太り三枚目の主演ドラマ?
カタリベ / 平マリアンヌ
47
1
9
7
4
昭和アイドルソングにおける “口紅” の意味【bayfm Wave Re:minder】連動コラム
カタリベ / 浅野ナナ