6月1日
ジューシィ・フルーツのイリアは日本の女性ロック史におけるキーパーソン
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ジューシィ・フルーツのシングル「ジェニーはご機嫌ななめ」がリリースされた日
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photo:Discogs  

80年代初めは「テクノ歌謡」という分野が現れた時期であった。シンセサイザーという言葉が一般に知られるようになり(当時ギャグ・シンセサイザーというお笑いコンビもいた)、そこに{アジアっぽさ}や{近未来だけどレトロっぽい感じ}や{カワイイ}が加わり日本独自の{ピコピコサウンド}となっていた。

近田春夫がプロデュースしたジューシィ・フルーツも、こうした括りにされてしまいがちなバンドである。デビュー曲「ジェニーはご機嫌ななめ」が、その奇抜なサウンドで話題になり、大ヒット(オリコン最高5位、37万枚、最近はPerfumeにもカバーされている)してしまったためだ。メンバーには後に「吐息でネット」や「おさかな天国」の作曲で有名になる柴矢俊彦もおり、ピコピコ音はバンドの特徴の一つだった。

だが、私はジューシィ・フルーツこそ、日本のガールズバンドの源流だと云いたい。え?、でもこのバンド、女性は一人じゃんか、と思うかもしれない。その彼女、ボーカル兼リードギターのイリアこと奥野敦子が、日本の女性ロック史のキーパーソンなのだ。その理由は、ジューシィ加入前の彼女の経歴にある。

奥野のプロとしての出発点は、77年のGIRLSのギタリストとしてである。GIRLSは、日本で最初にメジャーデビューした女だけのロックバンドだった。メンバーは女子美術大の学生だった奥野と、あとはまだ高校生。しかも女子学院、東洋英和という名門校に通っていたため、身分を隠しての活動であった。

当時は女子バンドというだけで、好奇の目にさらされた時代。それまで女性のバンド活動といえば、キーボードかコーラスぐらい。それでも珍しがられたほどだ。それが女だけで大音量でぶっ飛ばすのだから、注目されない筈がない。下着姿で歌う米国のラナウエィズ(「チェリーボム」が世界的大ヒット)と比較され、 NTV「11PM」にも出演した。ところが、このテレビがきっかけで学校にバレてしまい、充分に活動ができなくなる。
 
GIRLSの活動停止後、奥野は近田春夫にスカウトされ、彼のバックバンドに加入する。近田は奥野のギタリストとしての可能性と美貌、美大生ならではのファッションセンスに注目し、彼女をセンターに据えることを思いつく。それが、ジューシィ・フルーツとなった。

それまでも女性をメインボーカルに据えたバンドは、いくつもあった。サディスティック・ミカ・バンド、カルメン・マキ&OZ… しかし、ボーカルのみならず、ギタリストとしても女性を前面に出した例は初めてだった。レスポールを構え、「ジェニーはご機嫌ななめ」でギターソロを弾きまくる奥野の姿は、新時代の女性ロッカーのプロトタイプといえよう。彼女が切り拓いた細道を、プリプリが拡張工事し、平成のけいおんブームへと続いていくのである。

また奥野は、伝説のギタリスト・成毛滋がMCの「パープルエクスプレス」〔文化放送 / 提供は佐川急便〕で アシスタントも務めた。土曜深夜にギター理論を延々と解説するマニアックな番組で、B級ハガキ職人だった私も何度か投稿を読んでもらったが、ちょっとクールな外見とは裏腹にラジオでは優しいお姉さんという印象だった。プロなのに彼女が成毛にあれこれ指摘されてギター修行をするコーナーもあり、ダメ出しにもめげずギターを弾こうとする奥野のストイックさは、我がままジェニーとは真逆であった。

2016.11.21
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