6月21日

高見沢俊彦の魅力 ♡ 永遠の “王子様” は THE ALFEE ブレイクの立役者!

104
0
 
 この日何の日? 
ALFEEのシングル「メリーアン」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1983年のコラム 
YMOの音楽講座、NHKで行われた伝説のジャムセッション

伝説のギタリスト、テキサス・ハリケーンことスティーヴィー・レイ・ヴォーン

世界的大ヒットへの絶妙な布石、カルチャー・クラブのナンバー2ソング

麻倉未稀は洋楽カバーだけじゃない!セクシーなシティポップ路線に名曲あり

論争なんて今は昔、THE ALFEE は死ぬまでロックだぜ!

ジャパメタシーンに都市伝説を生んだギタリスト、湯浅晋が率いたX-RAY

もっとみる≫




高見沢俊彦、音楽と小説の “二刀流”


ミュージシャンには年齢不詳な人が多いけれど、そのキング・オブ・キングはこの人だろう。4月17日に誕生日を迎えたTHE ALFEE・高見沢俊彦だ。1954年生まれなので、今年で69歳。古希にリーチである。この人の場合、見た目だけでなく、創作意欲も衰えないのがすごい。しかも音楽だけじゃなく、小説も書くのだ。

高見沢は還暦のときに作家デビュー、長年の夢を叶えた。作家のときは「沢」が旧字体の「高見澤俊彦」になる。つい先日、第3弾小説『特撮家族』を文藝春秋から発表した。この作品、家族全員がヲタクで、本人いわく「大好きな特撮・怪獣映画・歴史モノなんかを全部詰め込んだ作品にしたいと思った」。小説執筆と音楽は「使う脳が違う」そうで、高見沢にとって、小説との “二刀流” は楽曲創りにおいてもいい影響を及ぼしているのだろう。



高見沢はサービス精神も旺盛で、メディアへの対応も、だいたい快く引き受けてくれる。以前、あるラジオ番組の企画で、“「メリーアン」の舞台はどこで、彼女はどんな女性なんですか?” という質問をFAXで送ったところ、

・花婿に逃げられた22歳
・夜露に濡れる森は、ドイツの黒い森のイメージ
・主人公は寄宿舎に通う17歳

―― とえらく具体的な回答が返って来て驚いた。

アーティストによっては「くだらんことを聞くな!」と怒りそうな質問だけれど、こうして丁寧に答えてくれた高見沢。私の中の「芸能界いい人ランキング」のトップクラスに位置しているのは言うまでもない。

先述の小説についても、PRのためにわざわざ神田明神に出向き、ヒット祈願会見を行ったというスポーツ紙の記事を見て「さすが、わかってらっしゃる!」と拍手してしまった。

高見沢俊彦が普通に会見をやったんじゃつまらない。神社に願掛けに行こうというのは、自分の役目がわかっている人間の発想だ。ちなみに、神田明神では同じ日に将棋の叡王戦が行われていて、藤井聡太を取材するため報道陣が多数詰めかけていた。「なんでタカミーがここに?」みたいな空気になっていたのが、またこの人らしい。 

来年デビュー50周年を迎えるTHE ALFEE


ところで、THE ALFEEは来年デビュー50周年を迎える。結成時は4人だったが、1975年から高見沢・坂崎幸之助・桜井賢の3人体制に。半世紀も一緒に活動していたら飽きが来そうなものだが、メンバーのキャラが見事に三者三様、お互いの趣味に干渉しないので、そこもバンドが長続きしている理由だろう。

しかし、ブレイクまではけっこう長かった。トークもライヴも面白いのに、レコードのセールスはなぜか伸びなかった。高見沢によると、THE ALFEEはそれぞれ「担当部署」があり、坂崎=「宣伝部」、桜井=「営業部」、高見沢=「制作部」だそうだ。「宣伝部と営業部はきちんと成績を残していたのに、僕だけ結果が出ていなかった」と言う高見沢。他の二人から突き上げを食らい、当時は痩せる思いで曲を書いていたという。

デビューから苦節9年、1983年に「メリーアン」でブレイクを果たしたとき「ようやく責任を果たせた」と胸をなで下ろした高見沢。しかしそれも束の間。レコード会社のディレクターが高見沢のもとにやって来て、こう言った。「次はどうする?」 「一発屋で終わるか、それとも10年続くグループになるか…… キミが書く次の曲に、すべてが懸かってるぞ!」…… 高見沢は再び、痩せる思いで曲を書くことになった。

「1曲だけで終わってたまるか!」と、とにかく「売れること」を念頭に置いて創った渾身の1曲が、次作「星空のディスタンス」である。高見沢がデビュー当時に書いたインストゥルメンタル曲をベースに、何度も何度も手直しを重ねて完成。この曲は初のオリコン1位を獲得する大ヒットになった。



2曲連続でヒット曲を書き、今度こそ本当にホッとしていた高見沢。ところが、再びディレクターがやって来てこう告げた。「次はどうする? 次が大事だぞ!」…… 高見沢いわく「無限に続く中間テストを受けているようだった」。そんな無間地獄をくぐり抜けて来たからこそ、THE ALFEEの今がある。

永遠の王子様、高見沢俊彦


今年2月、「オールナイトニッポン55周年記念」で55時間スペシャルが放送された。THE ALFEEも参加。坂崎幸之助が火曜1部を担当していた際、エンディングで流れていた「水曜日の朝午前3時」をスタジオで生演奏したのには感激した。この曲、高見沢の作品で、サイモン&ガーファンクルの「Wednesday Morning, 3 A.M.」にちなんでいる。番組終了時間が(日付が変わって)水曜の朝3時であることに引っ掛けていて、なんとも粋ではないか。

 Wednesday morning 3 o'clock

 ひとときの恋人さあなたのために 

 夢を語ろう――

高見沢俊彦はやはり、永遠の「王子様」である。

▶ THE ALFEEのコラム一覧はこちら!



2023.04.17
104
  Songlink
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1967年生まれ
チャッピー加藤
コラムリスト≫
53
1
9
8
3
日本最古の現役バンド【THE ALFEE】の要はベーシスト「桜井 賢」その理由は?
カタリベ / 前田 祥丈
116
2
0
2
4
愛し愛され半世紀【THE ALFEE】50周年記念シングルがリリース「メリーアン音頭」も配信中!
カタリベ / 馬飼野 元宏
43
2
0
2
4
デビュー50周年【THE ALFEE】坂崎幸之助の魅力!個性豊かな3人のボーカリスト
カタリベ / 山下 めぐ
30
1
9
7
9
所ジョージの名盤「ホング・コングの逆襲」宇崎竜童や赤塚不二夫も参加!
カタリベ / 親王塚 リカ
61
1
9
8
5
KYON²「ハートブレイカー」小泉今日子 × 高見沢俊彦が放つ異彩のハードロック!
カタリベ / 中塚 一晶
48
1
9
9
8
伝説ライヴ!80年代の福岡から数多くのロックバンドが旅立った理由
カタリベ / 安藤 広一