いよいよ今年、映画「T2」が公開されます。えっ?「T2」って「ターミネーター2」じゃねえのか!って? いえいえ「T2」とは「トレインスポッティング2」のこと、20年ぶりの続編です。いわばユアン・マクレガーの出世作ですよね。
「トレインスポッティング」といえば、そのユアン・マクレガーやロバート・カーライル、ユエン・ブレムナーなどの個性的な俳優陣や、アーヴィン・ウェルシュ(自ら俳優としても出演)の刺激的な原作などとにかく印象深い作品でしたが、なによりもこの作品の目玉は音楽。
そう、この映画から約20年前につくられたイギ-・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」! この主題歌に尽きます。そしてこの映画にあわせて新たにミュージックビデオを作成、飛んだり跳ねたり暴れてます(笑)。このとき御年50歳。うぇー。
まあ、イギ-本人も77年につくった楽曲が20年も経ってから自身の名声をいちばん広げることになるとは思わなかったでしょう。この曲は盟友デヴィッド・ボウイが作曲、プロデュース、バックコーラスで全面参加したアルバム『ラスト・フォー・ライフ』収録。アルバムには最近CMでも使用された「パッセンジャー」も収録されてます。
デヴィッド・ボウイはドラッグで身体的にも財政的にもボロボロだったイギ-を救うため、おもに80年代はイギ-の楽曲をカヴァー(「チャイナ・ガール」が有名ですが、「バン・バン」やティナ・ターナーとのデュエット「トゥナイト」も名カヴァー!)して印税を増やしてあげるなど多大な貢献をしたまさに大親友。
そもそもボウイがイギ-の大ファンであり、独特の低音ヴォーカルはイギ-を参考にしたものであることは意外に知られてません。そんなボウイも逝き、ザ・ストゥージズのギタリスト、ロン・アシュトンも逝ってしまいましたが、イギ-本人はまだまだ現役、昨年もジョシュ・オムと組んだアルバム『ポスト・ポップ・ディプレッション』を発表するなど健在ぶりを発揮しました。
私がイギ-・ポップを知ることになったのは中学生時代。仲のいい友人A君に色々教わりました。このA君、ギターが上手くてのちに一緒にバンドを組んだりしたのですが、一番好きなアーティストがイギ-・ポップだったのです。
当時私の回りにはハードロックやテクノなど洋楽好きはまあまあいたのでしたが、パンク関連の愛好者はあまりおらず、クラッシュやパブリック・イメージのアルバムを持っている人はいても、イギ-・ポップのアルバムを持ってる人はおろか、知ってる人もあまりいません。そんな中、A君はイギ-についていつも熱く語ってくれて、彼曰く「俺にとってデヴィッド・ボウイよりも偉大」と力説。
前述のボウイとの逸話はA君に教わりましたし、貸してもらったザ・ストゥージズのベストや、イギ-のライヴ盤など非常にかっこよかった。ノリがよく曲も適度にポップなんだけど、何よりもイギ-のヴォーカルの存在感と圧。細身の身体からは想像つかないパワーを音だけで感じることができました。
(つづく)
2017.02.14
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