テレビのバラエティ番組を見ていると、出演しているタレントが何を言っているのか聞き取れないことがある。
HDD に録画した番組を見ている時は早戻しをして確認したり、オンタイムで見ている時は一緒に見ている娘に「いま、この人なんて言った?」と聞いて教えてもらったりする。
最悪なのが、教えてくれる娘の言っていることが聞き取れない時だ。2回聞き返して分からなかった時はボケたふりして無言になるしかないもんね。耳が遠くなっているのか、脳が劣化しているのか。まぁそんなことは今に始まったことじゃないんだけど。
映画『HOUSE ハウス』のセリフの多くを僕は聞き取れなかった。女の子が集まって「キャアキャア」言ってるばかりでなんの話をしているか全く理解できなかった。録音状態が悪いせいだとか、映画館のスピーカーの性能が低いせいだなどと決めつけていても聞き取れないのだから仕方がない。早々に諦めて映像だけを追っかけていくことにすると、これが意外と楽しめた。
女子高生7人が夏休みに友達のお屋敷に遊びに行くと、そこは人食い屋敷で友達が一人ずつ襲われていくというストーリー。劇中に多用される書き割りの背景が独特で、少しずつ別世界へ誘い込まれていく。井戸の中から生首が飛び、布団や電気の傘が人を襲い、ピアノが人を食べ、ちぎれた指がピアノを弾く。いま見れば笑ってしまうような合成シーンが続くのだが、なぜかところどころにチラッと裸が出てくる。
これがエロい。
この映画を観るとなぜか、中学生の時の下校時、通学路の脇の草むらに捨てられて色が褪せ始めたエロ本、それを棒でつつきながら友達とヘラヘラ笑いながら見ていた時のことを思い出してしまう。触れてはいけないものに近づいて覗いてみたくなるような感覚。そう、僕にとって捨てられたエロ本と『HOUSE ハウス』はエロへの入り口で、映画のラスト近くで一瞬だけ見える池上季実子の片乳シーンは当時の僕の核心だったのだ。
そして『HOUSE ハウス』で、もうひとつ忘れられないのがゴダイゴの音楽だ。とにかく劇中はずっと曲が流れている。まるで音楽ありきの映画のように。特に「MAIN THEME(ハウスのテーマ)」のピアノのメロディーは強烈に耳に残っている。放課後の音楽室に忍び込み、弾けもしないのに人差し指一本だけでたどたどしくピアノを弾いては映画を思い出してビビるのが楽しみだったりした。
当時のゴダイゴは CM ソングをたくさん作っていて、CM ソングを集めたアルバムもリリースしていた。「スプリンター・リフトバック」の最後の「♪ リフトバァ~ア~ック」と優しく伸ばすところが気持ちがよくて好きだったな。
あのCMはアグネス・ラムか。やっぱりいいよな~、おっぱい。
※2018年3月12日に掲載された記事をアップデート
2019.07.30
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