80年代はUKのアーティストが活躍した時代でしたが、日本では全米でヒットしないとなかなか知名度が上がりませんでした。それでもレコード会社が「これは日本で当たるのでは?」とプッシュしてそこそこ売れたものもありました。 そんな中で、私が思う… この曲なんでアメリカで売れなかったの? なアーティストは、ニック・カーショウ。 デビューアルバム『ヒューマン・レーシング』(84年)からのシングル「恋はせつなく(Wouldn't It Be Good)」は、PVを MTV がプッシュしたこともあって全米でもなんとか46位まで上がりました。ですから、このPVで私も彼を知りました。 飛び抜けてキャッチーな曲ではないものの、ブリティッシュポップ特有の影のある佇まいとニックの鼻にかかった、耳にまとわりつくようなクセのある歌い方が印象に残る楽曲。妙に好きになってしまいました。全英ではアイドル的なルックスと独特の作曲センスで瞬く間にスターになったようです。 そして、セカンドアルバム『ザ・リドル』(84年)からシングルカットされた「ザ・リドル」。日本でもFMを中心に大量オンエアされヒットしました。鼓笛隊のスネアによるイントロ、曲全体がサビともいえる耳に残るメロディー、さらに後半を盛り上げる鼓笛隊。 いやあ、これは名曲ですね。のちに小泉今日子の「木枯しに抱かれて」がこの曲に似ていると言われたこともありました。全英でも3位を記録したこの曲は何故か MTV では推されず、全米では100位内にも入りませんでした。タイトル(Riddle=謎)にちなんでニックが謎のリドラー(バットマンに登場するヤツですな)に翻弄されるというPVもなかなかの出来だと思うんですがねえ… まさに謎! 「ザ・リドル」リリースの数カ月後、ライヴ・エイドにも出演しヨーロッパでは人気を博しますが、サードアルバム以降はヒットに恵まれませんでした。しかし80年代末頃エルトン・ジョンに認められ、ツアーやレコーディングをサポート。エルトン以外にも様々なアーティストに曲を提供したりして現在も精力的に活動を続けています。 リワインド・フェスティバル(80sのアーティストがわんさと出演するヨーロッパ数カ所でおこなわれる音楽フェスティバル)では、リック・アストリーと並んで定番のアクトとしてよく出演し、元気な姿を今でも見せてくれます。 それにしても、あの粘っこい歌い方と独特のメロディーセンスは、現在の音楽シーンを見渡してもなかなかいないオリジナリティーだったと思います。80年代に4枚、99年から12年までに4枚のオリジナルアルバムをリリースしています。是非是非再評価を!
2018.06.18
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YouTube / NikKershawVEVO
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