中学生時代に初体験したイギ-・ポップの音楽。そしてそのパワーを視覚(と体全体の感覚)でも体験することができたのが、私が高校を卒業したばかりの87年4月。ちょうど新しいアルバム『ブラー・ブラー・ブラー』が発売され、4年ぶりの来日が決定したのです。このアルバムには、マッドネスのメンバーなどが参加、シングル「クライ・フォー・ラヴ」をはじめ、弾ける楽曲満載の好アルバム。これはもう行くしかない!
彼にとっては2度目の来日公演で、大阪の会場はサンケイホール。早めに整理券をゲットし、なかなかの良席をおさえることができ、期待しまくりで当日を迎えました。当時の洋楽アーティストのホールコンサートは座席なしのスタンディングでおこなわれることはほぼなく、当然この日も全席指定、通路脇には警備員も多数配置されてました。
ところが、イギ-登場後まもなく会場は盛り上がりまくり、イギ-もあおりまくるものだから、席があるのにスタンディングライヴ状態。警備員がそれを止めに入るものだから会場はまさに半狂乱と化しました。モッシュやダイヴという言葉もないころ、ましてやそういうライヴの楽しみ方を知らない私も呆然としながらも気が付けばステージに肘をついてライヴを楽しみまくりました。そして、そのうちにとんでもないことが起こりました。
実際のライヴやライヴ映像を見ていて、アーティストが観客のひとりにマイクを向け一緒に歌う。「おー、この客ラッキー」みたいに思うことってありますよね。そんな夢みたいなシーンをいきなり自分がやってしまうことになったのです! イギ-が突然前方にいた私にマイクを預けたのです!
そして「パッセンジャー」の「ラーラーラーラー、ララララー」という部分をしばらく私が歌うことになり……。まあ会場が半狂乱なので、そんなこと知るか状態でみんな暴れるようにノッてたので、一緒に行ったA君も私の夢みたいなシーンを未承認のままでしたが。
今から冷静に振り返ってみて、、その後何回か見たライヴも含めて再検証するとやっぱりイギ-は凄い、凄すぎる。そのアドレナリンの量、テンションの高さ、パワーすべて今まで見たアーティストのはるかに上をいってます。座席指定でコンサートを企画すること自体が無理なアーティストなんです。
洋楽コンサートの体験数の少なさから当時「こんなに洋楽アーティストは凄いのか」と思ってましたが、違うのです。イギ-だけが別格なんです。この87年当時の年齢が既に40歳。昨年行われたライヴの映像を見ましたが相変わらず。そのテンションの高さは全く衰えてません。今年70歳ですって? うぇー。
2017.02.15
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