以前にデザイン装飾系の会社に勤めていたことがあった。新宿の百貨店に常駐して催事場や店舗の模様替えをしたり、百貨店の外壁の大きな電飾看板(すでに取り外されたが、新宿駅西口を出て見上げるとあった)やモザイク通りの壁のデザイン装飾など、その現場管理責任者的なこともやったりした。
そう、この仕事は百貨店の閉店後でないと出来ないことが多かったので、深夜や定休日前日からの徹夜での作業になる訳で、ほぼ週に一度の催事場の模様替えなどでは搬出入やバラしなどで常に20~50人、時にはそれ以上のアルバイトに来てもらっていた。
どうにも深夜や徹夜のアルバイトだから、学生やミュージシャン系の人達が殆どだったが、おニャン子クラブのイベントでドラム叩いていたとか日本中のライブハウスを回ってるバンドマンとか、個性的でクセの強いキャラを持つバイト達で、それはそれで面白かった。
ある日のこと。
バイト「T-スクエアって聴きます?」
筆者 「聴くよ。F1とかツール・ド・フランスの曲が有名じゃない」
バイト「チケット1枚もらったんですけど行くならあげますけど」
筆者 「じゃあ観に行くわ」
そのチケットをよく見るとT-スクエアのNHKホールでのチケットであったが、招待者用のチケットだった。詳しくは聞かなかったがどうやらT-スクエア関係者に知り合いがいたようだった。
当日、仕事終わりでNHKホールに行くと入場口は長蛇の列。その右側には招待者用の入口があり列を横目に待つことなく受付に行き名前や職業を書いて入口へ、ちょっと優越感に浸る瞬間であった(笑)。中に入ると席はミキサーやらなんやら機材だらけのPA席のすぐ右横、ステージ正面の真ん中後方だった。
席に座ると周りの人達の会話が耳に入ってきたが、
やはりそこは招待者関係者席。こんな会話も聞こえてきた。
「雅人君は大丈夫かな?」
「○○曲の○○のところが心配だな」
「まだ慣れてないような感じするな」
T-スクエアのフロントマン伊東たけしから本田雅人に代わってそれほど経っていない時だったのだ。そんな会話を聞いてのライブ、何だかこちらも心配になってしまったが(笑)、そこはやはり日本トップレベルのミュージシャン集団、期待通りの演奏だったのを覚えている。
インストゥルメンタル系のライブを初めて観て、わかっていたはずだったが目の前で奏でられる演奏レベルの高さに改めてトッププロの偉大さを感じた日でもあった。
代表曲ともいえる「トゥルース」はフジテレビ系で放送されていた世界最高峰のモータースポーツ、F1グランプリのテーマソング。「チェイサー」はこちらもフジテレビ系で放送された世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスで使用され、英雄たちの夏物語という字幕タイトルと共に流れていた記憶がある。
そういえばあの頃は、民放TV局も日本でいまひとつ人気のないスポーツの番組をいろいろやってたな~。
2017.03.22
YouTube / Atsushi Ishihara
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