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パンクとプログレを融合させミッキーの耳をつけてヤオンで演じたYBO²
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YBO²のシングル「Doglamagla」がリリースされた月
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photo:YouTube  

80年代に高校時代を東京で過ごした僕は『週刊少年サンデー』に連載されていた上條淳士のマンガ『TO-Y』にはまっていた。そこには中野サンプラザやかつての新宿LOFTが登場し、同時代の東京のロックをめぐる状況が強く意識されていた。実在のミュージシャンが出てくるわけではない。それでも『TO-Y』は「らしさ」を通して同時代を伝え、読者も状況を読み込み臨場感を覚えた。

折しも日本はインディーズ・ブーム。大手のレコード会社(メジャー)に対してマイナーと呼ばれた無数の自主制作レーベルが覇を競い、独自の嗅覚でミュージシャンを発掘していた。

『FOOL'S MATE』の創刊者でもある北村昌士の『トランス・レコード』にはパンク、プログレ、ハードロックを融合する独自路線のバンドが集い、宝島社主催の『キャプテン・レコード』の他、ケラ率いる『ナゴム・レコード』にも有頂天や筋肉少女帯といった個性的な面々が名を連ねた。各レーベルには共通の音楽性など無いはずなのに、むしろ「トランスギャル」や「ナゴムギャル」と呼ばれたファンのほうが、それぞれのレーベルに独自な音を聴き取っていた。

高校生だった僕は北村さんのバンド YBO²(Yellow Biomechanik Orchestra² 通称:イボイボ)に出逢い、ビルボードで流れる洋楽とは異質な世界に魅せられた。地を這う重低音、速攻かつ正確なリズム、噴き出すようなギターリフ。夢野久作の原作を一字一句変えずに歌詞にした「Doglamagla」を聴くと今でも首をひねる。どうしてこんな演奏ができるのだろう……

『TO-Y』ではトーイがヴォーカルをとる “GASP” の解散コンサート(ヤオン=日比谷野外音楽堂)と年末のインディーズ・フェスティバル(新宿都有3号地)が描かれている。実際、1986年には同様の企画がヤオンで開催されているし、1987年に発売された2枚組LP『The Indies Live Selection 86 to 87』はコンピレーションではあるけれど、当時の雰囲気を伝えている。

ところで、“GASP” はたぶんハードコアバンドで、北村さんの音とはまるで違う。それでも僕はコンサートの場面を読む度にミッキーマウスのような耳をつけてヤオンで演奏するYBO²を想像し、YBO²とLip Creamが同時期に活動する当時の状況に想いを馳せるのだ。


※YBO²のファースト・シングル「Doglamagla」には次のヴァリエーションがある
1)Dogla Magla II <Dead Tech Sampler - No wave from Japan>
2)Dogla Magla, Trans Records, 1986 <Trans-05>(7 inch)
3)Dogla Magla, Trans Records, 1987 <Trans-20> side A(リミックス)
4)Dogla Magla, Trans Records, 1987 <Trans-20> side B(2の再録)
 (12 inch,ピクチャーレコード,3,000枚限定版) 

2016.05.09
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  YouTube / nekotaro netakiri
 

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カタリベ
1970年生まれ
ジャン・タリメー
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