6月9日

新井薫子はいつだって一生懸命、かわいく弾ける「イニシャルは夏」

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80’s Idols Remind Me Of… vol.5
イニシャルは夏 / 新井薫子


“花の82年組” の中でも名実ともにトップ集団に属したのは、小泉今日子、中森明菜、堀ちえみ、早見優、石川秀美ら、ほんの一握りのスターたち。

松田聖子の成功に追いつけとばかりに、多くのアイドルシンガーがデビューした82年組だったが、トップ集団の後塵を拝した2軍集団が存在したのは紛れもない事実。

そんな2軍の中でも結構な存在感を示していたのが新井薫子だった――

少女漫画で描かれる美少女をそのままリアルにしたような大きな目が特徴・ウリだったが、名前のインパクト、特に初期2作のキャッチーな楽曲の良さ… そして、ごく普通の可愛らしい女の子が一生懸命歌っている姿と相まって、うっすらと思い出すアラフィフ以上の世代の方も多いのではないか。

デビューシングル「虹いろの瞳」(82年3月)は、82年組の中でも突出した楽曲の良さでキラキラ光っていた。それに続くセカンドが、「イニシャルは夏」(82年6月)だった。

「イニシャルは夏よ!」という、聴く者の心を鷲掴みにする超アッパーでインパクト大なサビ始まりだけでも “勝ち” を確信させてくれたが、頭から最後までキャッチーでかわいくて弾ける爽やかポップ。1曲を通して耳にしたならば誰もが “完勝” の文字を思い浮かべながら白旗を挙げざるを得ないだろう… そんな光景が82年の夏、随所で繰り広げられた。

82年組において、「夏」「サマー」(あるいはそれを想起させる言葉)を冠したタイトルの楽曲は何故か多めなのだが、「イニシャルは夏」はほぼその先陣を切ってリリースされている。

堀ちえみの一連の夏シリーズ以外に主なところでは、早見優「夏色のナンシー」が83年4月、石川秀美「恋はサマー・フィーリング」が83年6月、小泉今日子「渚のはいから人魚」「常夏娘」が84、85年発売だったので、「イニシャルは夏」が、早い段階で “夏の定番ソング” 狙いに向かっていたのがわかる。

―― 松田聖子「渚のバルコニー」(82年4月)「小麦色のマーメイド」(82年7月)、河合奈保子「夏のヒロイン」(82年6月)あたりとガチンコだったタイミングの悪さは、もちろん致し方なかった。

新井薫子のデビューから2枚のシングル、「虹いろの瞳」と「イニシャルは夏」は各4万枚超のセールスを記録、TDK コア第1弾アーティストとしては可もなく不可もなくという成績だったのだろうか。以降、楽曲の迷走もあったりして通算シングル6枚を残して歌手休業。キャリアのピークは82年だったと言わざるを得ない。

一般的には「イニシャルは夏」は夏の定番ソングとは言い難いのかもしれない。でも筆者にとって夏の定番ソングといえば、これまでもこれからも「イニシャルは夏」―― 82年の徒花のひとつだったのかもしれないが、あの笑顔と名曲は永遠に心に刻まれている。

2018.08.31
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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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