9月1日

クラスメイトはアイドル比企理恵! 芸能コースで「恋のワナ・ワナ」

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比企理恵のシングル「恋のワナ・ワナ」がリリースされた日
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photo:モナ・ムール!歌謡ポップス  

中学を卒業してしばらく経って、なんとなく仲の良かった連中が数人集まった。その内の何故か三人が芸能コースがある有名私立校に通っていた。勿論、彼らは普通科の生徒なのだが同じクラスにアイドルがいるというのだから、話は聞かねばなるまい。

「伊代ちゃんのかわいさはマジでハンパねーンだよ!」
「芳恵ちゃんは?」
「キレーだよ。あがっちゃって、声もかけられないぐらいキレーだよ。」
「理恵ちゃんがまた性格が良くってさ~。」
「そうそう、ホント良い子。」
「なんていうのかな、やさしぃ~~~んだよ!」

伊代ちゃんとは御存知の通り、松本伊代である。芳恵ちゃんとは柏原芳恵である。そして、理恵ちゃんとは十代とは思えない落ち着いた演技力で大映ドラマなどで活躍していた比企理恵である。私がこの会話の中でわかったことは3つ。伊代ちゃんが超可愛くて、芳恵ちゃんが超綺麗で、理恵ちゃんが超優しいということだけ。そういう薄~い会話をありがた~く聞いている都立高通いの私。ただ、その会話の中に重要な情報が一つだけあった。それは…

「性格が良くってさ~。」
「ホント良い子。」
「やさしぃ~~~んだよ!」

アイドルが、綺麗・可愛いなんていうのは当たり前、ホントどうでも良い話だった。だが同じ学年の男子三人が揃って三段活用で理恵ちゃんの性格の良さを推す。(←ココ重要)そして彼女の気さくさについて熱く語り始めるのである。

♪アイツときたら初めてのデートなのに、アイドル歌手の話ばかりするのよ~。

シングル「恋のワナ・ワナ」は比企理恵の実像をとてもよく表していると思う。同曲で描かれるのは、シャイでなかなか「好きだよ」と言ってくれないクラスメイトの男の子にちょっと御冠(おかんむり)の少女。そんなどこにでもいるフツーの女の子だ。あの日、私は友人たちの話に耳を傾けながら、等身大のアイドルがいる教室の風景を頭に思い描いていた。そして、テレビに映し出された偶像ではなく、彼らが語るクラスメイト・理恵ちゃんという実像(リアル)がとても眩しく思えた。そう、あの場にいた “僕たち” は彼女にすっかり「ワナ・ワナ」しちゃっていたのである。


恋のワナ・ワナ / 比企理恵
作詞・作曲:森雪之丞
編曲:井上鑑
発売日:1980年(昭和55年)9月1日

2016.07.09
22
  YouTube / Buggersaurus Rex
 

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1966年生まれ
太田 秀樹
ほんとだ、大瀧さんが編曲と録音やってる。まあ、ロンバケ前なんでアーティストプロデュースではなくCM仕事としてやったんだろうけど。だから別にソニーが「本気」ってわけでもなかったと思いますよ。ただ、一曲一曲にかけるパワーは鬼気迫るものを感じる。7枚シングル出してて全部その方向性が違うって凄くないですか? プロデューサー不在だったんだなあ。毎度毎度が崖っぷち。

そしてこのCMブッチャー出てるぞ!
https://www.youtube.com/watch?v=5YhfPrfaAiI

研究対象に値する。
2016/10/11 05:17
3
返信
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
太田さん…ワナワナブームwww

それにしてもアパッチのナンチャッテ感はすごいですネ~!
ピンクレディの「サウスポー」のような「恋のブロックサイン」
https://www.youtube.com/watch?v=yZ7ALRd0QDw
あと「透明人間」のような「怪盗アリババ」。ちなみに「東京アパッチ」はキャンディーズっぽい。
まさか・・・「あ!パチ物?」・・・でアパッチでは?
そんな訳ないですネ(汗)。Wikiを見たらCBSソニーはかなり本気で曲作りしてますし…村井邦彦さんや大瀧詠一さんも関わってる。

ところでゲーム歌謡というジャンルがあっても良いですネ。「宇宙人ワナワナ」以外にも探せば何曲か他にもあるのかも。バックナー&ガルシアのパックマンフィーバーあたりを大胆にアレンジして誰かにカバーしてほしい。
https://reminder.top/713677307/

追記。パックマンと仮面ライダーが戦うことになろうとは思いもよりませんでした。
2016/10/10 09:48
3
返信
1966年生まれ
太田 秀樹
鎌倉屋さん、ワナワナのマイブームに陥ってしまった私ですが、別のワナワナを発見しました。遡ること1年前、79年の7月にリリースされた、アパッチの「宇宙人ワナワナ」です。これマジですごいです、強烈で鬼気迫るテクノ歌謡。編曲が矢野誠で、スペースインベーダーのあの音がベースラインになっていて、いやあなんて言っていいか。。。楽曲だけみたら大ヒットしても良いクオリティだと思います。あの時代、これを受け入れる土壌はなかったよなあ。すげえ、マジすげえ。

https://www.youtube.com/watch?v=2bji3K4de7k
2016/10/10 04:40
2
返信
1966年生まれ
太田 秀樹
うーん、そうかですかね? 僕は「ザ・ベストテン」きっかけで曲の消費される速度が変わったとは思いません。調べてないですけど、初登場1位!みたいな曲はそんな多くなかったと思いますよ。他にも歌番組はいっぱいあったし、プロダクション行政で入ってくる歌手も極力抑えた画期的な番組だったと思います。ベストテンが終わってからのほうが歌の消費速度が上がったんじゃないかな。もとい、比企理恵が出した5枚のシングル全て聞いてみましたが、4枚目の「恋のワナ・ワナ」と5枚めの「想像力少女」以外は凡庸だし、やはり時代の狭間にデビューしてその時代を読み切れなかった感が強いなあ。僕はアイドル歌手の性格の良さなど全く気にしないので(笑)。可愛いけどね。https://www.youtube.com/watch?v=aYnaBRKRgp0
2016/07/11 06:03
2
返信
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
1980年あたりは「ザ・ベストテン」が浸透して、世間の評価がランキングにシビアになっていったのも関係してるかもしれません。80年代はランキング至上主義の時代。たぶん、「ザ・ベストテン」をきっかけに曲が消費される速度が変わりましたよね。新人は、デビューして即ランクインしないと誰も興味を持たなくなっていたような気がします。好まれる曲の音楽性も変化が早くなっていました。何しろ郁恵さんの「夏のお嬢さん」でさへ、「ザ・ベストテン」では5位止まりでしたから。電リクだけのベストテン番組や持ち歌を歌いトークで繋げる大らかな歌番組だけの時代なら、健康的で可愛らしい容姿や明るいキャラクターと気さくさで、もっともっと活躍の場を広げられたんじゃないでしょうか。それにしても何だろう。理恵さんの可愛さと楽曲とのこの見事過ぎるマッチングは!
2016/07/11 03:29
1
返信


カタリベ
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
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