3月14日

PERSONZのヴォーカル、JILLは日本ロック界の3大おねえさん?

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PERSONZのJILL、義理堅く面倒見の良い親分肌の先輩


思春期の男子なら誰しも、年上の女性に憧れを持つ時期があるのではないだろうか。一人っ子だった自分は、特に “おねえさん” への憧れが強かったかもしれない。そして中学・高校時代をどっぷりバンドブーム期で育まれたことから、数多くのバンドの女性ヴォーカルに、憧れ、励まされて、感情を動かされてきたように思う。

中でも勝手に自分が「日本ロック界3大おねえさん」と呼んでいるのが次の3人だ。

まずはBARBEE BOYSの杏子。前にリマインダーに寄稿したコラム『イマサが放った会心の一撃!バービーボーイズ「LISTEN!BARBEE BOYS 4 」』にも書いたが、バービーの妖艶な世界観を歌い上げる杏子は、大人の色香をふりまく「おねえさんが教えてあ・げ・る♡」的な妄想の対象だった。

次はSHOW-YAの寺田恵子。男勝りのパワフルな歌声とヘヴィーなサウンドは、ガールズバンド=キュートなイメージを払拭させ、完成された大人のバンドだと感じた。女性アーティストのみを集めた野外イベント『NAONのYAON』をプロデュースする姿からも “姉貴” と呼ぶにふさわしい存在だ。

最後に3人めは、今回メインで取り上げるPERSONZのJILLだ。自分はJILLは個人的には “おねえさん” でも “姉貴” でもなく “姐さん” が一番しっくりくると思っている。

“姉” と “姐” の違いは、もともとは法律的には家族ではないが、固めの盃や芸姉妹といった形で、強い絆がある関係で、目上の女性を “姐さん” と呼んだことから来ているが、JILLはまさに “ちょっと怖いけど義理堅く面倒見の良い親分肌の先輩” の雰囲気をひしひしと感じる。その昔元夫であるアナーキーのマリに刺されたという武勇伝も相まって、JILLはやっぱり “姐さん” と呼ぶのがピッタリだと思う。

JILLが感じさせる“姐さん”としての器


そんなPERSONZに自分が初めて出会ったのは、中学3年生の冬、「CAN'T STOP THE LOVE」のビデオクリップを深夜の音楽番組だったと思う。キャッチーなメロディーとビートの効いた曲と、なによりJILLの独特の歌声と眼力の強いいかついビジュアルが強く印象に残っていた。そして3月に発売された大ヒット作となるアルバム『NO MORE TEARS』を、高校受験を終えてすぐに買いに行ったのを覚えている。

当時の人気番組『夢で逢えたら』でのパナソニックのCMで何度もかかっていた「7COLORS(Over The Rainbow)」、ドラマ『ママハハ・ブギ』の主題歌となった「DEAR FRIENDS」など強力なタイアップ曲もあり、このアルバムで一気にメジャーな存在になったPERSONZ。自分もこのアルバムで初めて、ほぼ全ての作詞を担当するJILLの歌詞にじっくり向き合うことになったのだが、そこにはやはり “姐さん” としてのJILLの器を感じさせる世界が広がっている。

 あどけない横顔が 涙で曇る時は
 想い出して雨上がり
 雲を蹴散らした虹の色を
 曇り空もいつか晴れて
 まぶしい日差しが浮かぶわ きっと
 (※「7COLORS(Over The Rainbow)」)

 Ah どんなに 悪い夢見ても
 そばにいていつも 待っててくれる
 Ah いつでも そんな仲間たち
 泣いてばかりいちゃ
 No-No Baby No-No Baby
 涙を拭いたなら
 ひとりじゃないのよ
 (※「DEAR FRIENDS」)

現在もPERSONZのヴォーカリストとして活躍


JILLの歌詞には、惚れた腫れただの、トキメキがどうなのなんて恋愛観はほとんど出てこない。人の悩みや孤独、寂しさなどに、JILLがわかりやすい平易な言葉で、大きな包容力を持って寄り添ってくれる、そんな気持ちにさせてくれる歌詞が多い。そう、まさに “姐さん” が相談に乗ってくれているのだ。

余談だが、自分が高校生の時組んでいたバンドで、ライブでPERSONZのコピーバンドと一緒になったことがある。ヴォーカルは2つぐらい年上のゴリゴリにヤンキーな “おねえさん” で、正直ビビっていたのだが、後に縁あってバンドメンバーみんなで彼女の家に行くことになったのだが、未成年なのにセーラムライトをふかす仕草にビビりながらも、すごく優しく接してくれたのが、JILLとオーバーラップして思い出に残っている。

JILLは2022年の今年で御年62を迎えるが、現在でもPERSONZのヴォーカリストとして変わらず活躍中だ。これからも、自分たちの “姐さん” として存在し続けてくれることだろう。

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2022.01.25
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カタリベ
1973年生まれ
タナカマサノリ
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