TVのワイドショーを観ていて気づかされたのだが、プリンセス・ダイアナが亡くなって今年で20年だ。 ちょうどあの事故当日は、バンコクで暮らしていた僕の所に、大学時代の友人2人がトランジットついでに泊まりに来ていたから、その時のことを鮮明に覚えている… とまぁ、それは置いといて、とにかくその数日後には厳かに葬儀が行われ、エルトン・ジョンが歌った「キャンドル・イン・ザ・ウインド 〜 ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」は歴史的大ヒットとなったのだった。 ということで、今回のテーマはエルトン・ジョン。ロッド・スチュワートを取り上げた時にも書いたが、エルトンも僕たちの世代と相性が悪いと思う。 70年代の彼は「クロコダイル・ロック」、「ベニーとジェッツ(やつらの演奏は最高)」、「アイランド・ガール」などNo.1ヒットを連発していたのに、80年代に入ったらペースダウンしてしまった。ディオンヌ・ワーウィックらと共演した「愛のハーモニー(That's What Friends Are For)」くらいしか思いつかない人も多いのではないだろうか。 だが、理由はそれだけではなさそうだ。 約1年前に出演した『カープール・カラオケ』(米・CBSテレビ)の中で、彼は印象的なコメントを残している。ホストのジェームズ・コーデンに、なぜいつも派手なステージ衣装を着ているのかと訊かれた時のことだ。 I was never a lead vocalist. Not like Bowie or Jagger. I was playing the piano ... and I wasn't a sex symbol, and so I had fun with my outfits. And I just went with it. つまり、彼は自分自身が、デヴィッド・ボウイやミック・ジャガーのような ‟典型的な” リードボーカルでもセックスシンボルでもないと自覚していて、それ故に面白おかしい格好をするのだと。 実際この番組の中でも、本人が作曲したディズニーの名曲「サークル・オブ・ライフ」を歌う場面では、ライオンのコスチュームを身につけてノリノリの様子だった。 しかし、残念ながら、こういうキャラクターは日本の音楽ファンには受け入れにくかったんじゃないかと思う。それに、日本の音楽メディアは、どう考えたってデヴィッド・ボウイやミック・ジャガーを取り上げる方が良かったに違いない。Re:minderの中でも、エルトンに言及するカタリベは見当たらない。 とは言っても、この『カープール・カラオケ』の最後に歌われる「僕の瞳に小さな太陽(Don't Let The Sun Go Down On Me)」を聴いたら、皆さんも少しはウルっと来るのではないだろうか。 この曲は70年代に一度大ヒットし、18年後にジョージ・マイケルとのデュエットで再びヒットしたが、ここではジェームズ・コーデンがジョージ役を見事にこなしていていて、なかなか感動ものだ。 是非、本物の映像と併せてご覧頂きたい(91年3月23日にロンドンのウェンブリー・アリーナで行われたライブ)。エルトンの登場シーンが本当にカッコいいから。 Don't Let The Sun Go Down On Me / George Michael & Elton John 作詞・作曲:Elton John, Bernie Taupin プロデュース:George Michael 発売日:1991年11月30日 脚注: 「Crocodile Rock」 (73年2月3日1位) 「Don't Let The Sun Go Down On Me」 (74年7月27日2位 / 92年2月1日1位) 「Bennie And The Jets」 (74年4月13日1位) 「Island Girl」 (75年11月1日1位) 「That's What Friends Are For」 (86年1月18日1位) 「Circle Of Life」 (94年10月15日18位) 「Candle In The Wind 1997」 (97年10月11日1位)
2017.05.02
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