4月2日

主役は現役女子大生「オールナイトフジ」が深夜番組の歴史を大きく変えた!

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女子大生ブームの火付け役、深夜番組の歴史を変えた「オールナイトフジ」


東京ディズニーランドが開園した1983年4月、深夜番組の歴史を大きく変えた『オールナイトフジ』がフジテレビでスタートした。

司会には新進ジャズシンガーの秋本奈緒美と、JAL沖縄キャンペーンガールの鳥越マリ(現・鳥越まり)が起用され、コメディリリーフの片岡鶴太郎やとんねるずもいたが、主役はあくまでも現役女子大生だった。

ひな壇にズラリとならんだ彼女たちは “オールナイターズ” と名付けられて番組のレポーターやMCをこなし、その素人っぽさがウケて人気を獲得。遂にレコードを出すまでに至るのである。やがて訪れるバブル時代の申し子ともいうべき彼女たちは、女子大生ブームの火付け役となる。

テレビ版「オールナイトニッポン」セットは斬新、生放送で終了時間も未定


実はフジテレビでは過去にも同じタイトルの『オールナイトフジ』という番組が放映されていたことがあった。1969年から約2年間、系列のラジオ局、ニッポン放送の『オールナイトニッポン』のテレビ版として企画されたナイトショーで、司会者はラジオパーソナリティーとして活躍していた高崎一郎や、タレントのモコ・ビーバー・オリーブのほか、意外なことに舟木一夫の名前も見られる。

しかし80年代に甦った『オールナイトフジ』のコンセプトは全く異なっていた。サブコントロールがカメラに写るMC席の後ろに設置され、ディレクターが司会者の背面からキューを振るという斬新なセット。生放送で終了時間未定というのも異例であった。

レコードデビューした “おかわりシスターズ” と “おあずけシスターズ”


あれはたしか1984年が明けて間もない1月のある日、番組を見ていると女子大生の中から選抜されたユニット “おかわりシスターズ” がレコードデビューするというニュースが発表された。山崎美貴、松尾羽純、深谷智子の3人で結成されたおかわりシスターズの名はレギュラーの片岡鶴太郎の命名によるものだった。

デビュー曲といっても、番組の企画盤に過ぎないだろうとたかをくくっていたら、テレビから流れてきた「恋をアンコール」がとてもいい曲なのに驚かされた。湘南ロケのミュージックビデオを何度も見るうちにメロディがすっかり刷り込まれて、2月21日の発売日にはシングル盤を買いにレコード店へ走ったのを憶えている。真冬に聴く切ないアイドルポップスはなんだかすごく沁みた。彼女がいない身にはなおさらだった。

それを追うように、今度は片岡聖子と井上明子というバラエティ班のふたりが、“おあずけシスターズ” として5月に「東京カンカン娘’84」をリリース。正統派アイドル路線のおかわりシスターズに対して、彼女たちは三の線だったし、「東京ブギウギ」と「銀座カンカン娘」をミックスしたようなタイトルからもコミックソングを連想したが、これがまた負けじと良曲で、一度聴いてすぐ好きになった。おかわりと同じ佐藤準の作曲、ミュージックビデオは「恋をアンコール」のパロディでやはり湘南で撮られていたと記憶する。

オールナイターズのアルバムは名曲揃い!


同じ月にはオールナイターズのファーストアルバム『チュッとセンセーション』も発売されて、おかわりとおあずけの競演による「とりあえず恋」や、番組のオープニングタイトルに使われた「女子大生にさせといて」などが収録されてかなり売れたと思う。すぐにカセットへダビングして、湘南方面のドライブミュージックとしてずいぶん活用させてもらった。

12月にもオールナイターズは、これまた名曲揃いのセカンドアルバム『KIRAっとジェネレーション』を出し、その間におかわりもシングルを2枚出している。おあずけのシングルは結局1枚のみにとどまったが、おかわりは翌年の春に解散するまで、シングル4枚と、2枚組のアルバム『L・A・S・T』をリリースした。

アルバムとの同時発売となった、おかわりシスターズのラストシングル「虹色のカノン」はこの上なく美しいメロディで、僅か1年ちょっとの活動期間で解散してしまう彼女たちを惜しむファンの熱き想いが集約された傑作である。前作サードシングル「素顔にキスして」に続いての後藤次利作品だった。番組はその後1991年まで続くことになるが、おかわりシスターズは1985年3月25・26日に新宿厚生年金会館で解散コンサートを行い、31日の放送を最後に活動を終えたのだった。

ちなみにその直前に2度放映された『オールナイトフジ 女子高生スペシャル』が原型となり、4月1日に『夕やけニャンニャン』がスタートしている。つまり、おかわりシスターズが解散した翌日からおニャン子クラブが始動したということになるのだ。

オールナイトフジの決定版CD「オールナイターズ LAST SELECTION」


その後、アナログからデジタルの時代に移行してからも、オールナイターズ及びおかわりシスターズの諸作品は何枚もCDが出されてきたけれど、「素顔にキスして」のB面「恋をアンコール -浜辺でSentimental-」をはじめ、積み残しが数曲あるのがずっと気になっていた。そこへ、2017年10月に『オールナイトフジ』開始35周年を記念した、オールナイターズの決定版CDがリリースされた。

諸般の事情で一部収録出来なかった曲もあってコンプリートには及ばなかったものの、山崎美貴のソロアルバムや初商品化のカラオケ音源なども含めたCD4枚に、当時ビデオで発売された解散コンサートの映像、さらにはミュージックビデオ4曲分を収めたDVD1枚の計5枚組からなる『オールナイターズ LAST SELECTION』。殊にバブル世代の貴兄にはぜひともお手元に置いていただきたい作品集である。


※2017年10月27日、2020年4月2日に掲載された記事をアップデート

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2022.04.02
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カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
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