4月1日

単なるデモ音源にあらず。やっぱり天才!ピート・タウンゼント

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ピート・タウンゼントのアルバム「スクープ」がリリースされた日
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ビートルズのアンソロジーやボブ・ディランのブートレッグ・シリーズなど有名アーティストのライヴ音源やリハーサルなどのデモ音源はオフィシャルリリースでも聴くことができるようになりました。名盤とされるアルバムのリイシューでもそういった音源が追加収録されることは今では珍しくありません。

しかし80年代前半にデモばかりを集めたアルバムがオフィシャルリリースされたときは、かなり驚きました。そのアルバムとはザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼントのコンピレーションアルバム『スクープ』(83年)です。

これは1965年から1982年までピートがほぼひとりで制作したザ・フーや自身のソロ楽曲のデモ音源とアウトテイクを集めたもので、ポイントはこの “ほぼひとり” という点。

デモというとバンドの場合、スタジオでのセッションの模様やテイク違いなどをイメージしがちですが、ここに収められたのはピートによる自作テープで、自宅や個人所有のスタジオで作られた、まだバンドとしてのセッション前の楽曲としては最初期のもの―― ですから、各楽器もヴォーカルもピートによる多重録音です。

それらを踏まえて聴いてみると凄いと言わざるを得ません。何という完成度!「… ていうかこのままリリースできそう!」とまで思ってしまいます。

ザ・フーの楽曲に関しては、ロジャーの力強いヴォーカルもジョンのトリッキーなベースもキースの破天荒なドラムもないのでパンチには欠けているものの、ピートらしいアナザー・サイドのザ・フーが聴けたような気がしてなんとも味わい深い。

たとえば冒頭の「ソー・サッド・アバウト・アス / ブルルル」はギター1本の弾き語りなんですが、この音数の少なさが感傷的に響き、心に刺さります(いいところでブチッと途切れるのが残念なんですが)。

それと、好みの分かれるところですが、「ビハインド・ブルー・アイズ」のようなバラードはピートのヴォーカルのほうが合ってるんじゃないかなとか「バーゲン」のドラムが全然暴れてない分、すんなり曲に入っていけるなとかザ・フーのヴァージョンと比べるのも楽しい。

「愛の支配(Love Reign O'er Me)」に至っては、ホントにひとりで演ったの? とも思える完成度の高いバンドアンサンブル。更にはザ・フーの幻のお蔵入りアルバム『ライフハウス』収録予定だった「Mary」や曲としては素晴らしいのに何らかの理由でアルバムから外された未発表曲も数多く収録されてます。とにかく、ピートの作曲能力の高さ、また楽曲の完成像が早い段階で固まっていることに感嘆します。

ファンなら嬉しくなるちょっとしたプレゼント的な音源集ですが、ザ・フーに関して全く知識がない人でもサラッと聴けてしまうアルバムになってます。ちなみに企画盤の割に評価が高かったせいか当初予定になかった続編『アナザー・スクープ』、『スクープ3』と計3作にわたるシリーズにもなりました。

ピートの他のアルバムより、このシリーズの方が好きという「スクープ」シリーズファンも数多いとか。

まあファンにとってはスクープ(特ダネ)の音源集だったのかもしれませんが、ピートにとっては大量のデモ音源テープをちょっとだけスクープ(すくい取る)してみたよ! という気持ちだったのかもしれません。

ということでこのアルバムを是非お聴きいただき、天才アーティストの持つ凄い才能のひとかけらをちょびっとすくい取ってみることをおススメします。

2018.05.19
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  YouTube / Kerdykbabay


  YouTube / townshend1969
 

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カタリベ
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