10月9日

タモリ倶楽部、ウソップランド、グッドモーニング… 80年代のテレ朝深夜は熱かった!

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堂々たる深夜の長寿番組「タモリ倶楽部」


金曜深夜のバラエティ番組『タモリ倶楽部』がスタートしたのは、1982年10月。ゆるいと言われながらも40年近く続く、堂々たる長寿番組となった。入れ替わりが激しい深夜番組の中で、これは驚異的なことだと思う。

マニアックかつマイナーなムーブメントをメイン企画で紹介し、その後にミニコーナーという構成は、番組開始以来ほぼ変わらない。長きに渡って「空耳アワー」が定着しているミニコーナーは、番組開始の頃「愛のさざ波」という連続メロドラマを放送していた。メイン企画を収録中のタモリに、ヒロインの中村れい子が「義一さん!」と声をかけ、突如ドラマに突入…… というのがお約束だった。

テーマ曲もおなじみだ。曲は、1958年にリリースされたザ・ロイヤル・ティーンズの「ショート・ショーツ」。「♪ Who wear short shorts? We wear short shorts!」という、しょうもない歌詞が、この番組のゆるい空気にハマっている。

テレ朝のサブカル深夜番組「トライアングル・ブルー」「グッドモーニング」「ウソップランド」…


80年代、テレビ朝日とタモリが所属する田辺エージェンシーは、タモリ倶楽部に続けとばかり、他の曜日の同枠でもサブカル的な深夜番組を次々と開始した。中でも、木曜深夜に放送されていた、とんねるず主演のドラマ『トライアングル・ブルー』を覚えている人は多いのでは。アン・ルイスの「六本木心中」は、このドラマのエンディングテーマに使われたことがヒットのきっかけだったと思う。

当時、私は高校生。『トライアングル・ブルー』はもちろん、月曜深夜の『グッドモーニング』と火曜深夜の『ウソップランド』もよく観ていた。

1984年4月に始まった『グッドモーニング』は、“世界一早いモーニングショー” と称しながら、朝の情報番組をパロディ化したもの。お色気を超えた、下ネタ連発のコーナーが多かった。

タレント水島裕子が各地に出向き、ノーブラで体操をする「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」。番組発のアイドルグループ、オナッターズが歌う「恋のバッキン」。浜田家の肝っ玉母さん、小川菜摘もオナッターズのメンバーとして、しっかりお色気を振りまいていた。

元祖 “不思議ちゃん” 松本小雪も出演していた「ウソップランド」


1983年10月に始まった『ウソップランド』は、怪物ランドというお笑い兼役者のトリオをメインに、さまざまなショートコントを繰り広げる番組だった。番組初期の収録場所は、東京・広尾にある有栖川記念公園。いかにも低予算な感じが新鮮だったが、人気が出て見物人が増えたことで、都内のスタジオなどで収録するようになっていった。

当時怪物ランドのファンだった私もスタジオ観覧に行ったことがある。そのときのゲストは原田知世。原田知世はとてもかわいかったが、怪物ランドのコントは、番組初期の勢いを失っているように見えた。スタジオ撮影にしたり、ゲストを呼んだりと、予算をかけるほどおもしろさが失われていったのは、なんだか皮肉だ。

『ウソップランド』には、のちに『夕焼けニャンニャン』の司会となった松本小雪も出演していた。太眉、刈り上げヘアで、当時の DCブランドを着こなし、クールな天然(計算していたと思うけど)コメントを連発する、元祖 “不思議ちゃん”。まさに80年代的な女の子だったが、今はどうしているのだろう。

決して早めない放送時間、それが長寿の秘訣


『グッドモーニング』も『ウソップランド』もあっという間に終了したと思っていたが、Wikipedia で確認すると、どちらも2年半は続いたらしい。

視聴率のいい深夜番組がゴールデンタイムに移動。予算が増えて、セットもゲストも豪華になったが、毒やゆるさがなくなってファンが離れる…… というのは、よく聞く話だ。

頑なに低予算(風)を守り、「毎度おなじみ流浪の番組、タモリ倶楽部でございます」なんて言いながら、収録場所は漂いつつも、0時台の放送時間は決して早めない。そんな金曜深夜の “不動の番組” であることも『タモリ倶楽部』長寿の理由に違いない。

2020.02.29
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カタリベ
1967年生まれ
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