9月1日

「希望の先へ!平成初期を彩ったJ-POP」就職氷河期前夜の10曲を聴いてエナジーチャージ!

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卒業、入学、就職、転勤―― 年度替わりの春は別れと出会いが繰り返される季節。新天地での生活に胸を高鳴らせつつも “新しい環境に馴染めるだろうか” と一抹の不安を抱えている人も多いことだろう。そんな時節にぴったりの番組が放送される。そう、歌謡ポップスチャンネル『Re:minder SONG FILE』の「希望の先へ!平成初期を彩ったJ-POP」だ。

プログラムのキーワードは、“旅立ち” “船出” “希望” “応援”。よって、それらをテーマにした平成初期(1989年〜1993年 / 平成元年〜5年)のJ-POPから10曲をセレクトした。いずれもバブル崩壊による就職氷河期が本格的に始まる前に音楽シーンを賑わせた作品だけに、通して視聴すれば前向きな気持ちになれるに違いない。

メガヒット時代を象徴する、KAN「愛は勝つ」


幕開けのKAN「愛は勝つ」(1990年)は、CDシングルの登場(1988年2月)によって到来したメガヒット時代を象徴する1曲だ。もともと5枚目のアルバム『野球選手が夢だった』の収録曲だったが、好評を受けてシングルカット。

当時、高視聴率を連発していたバラエティ番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』(フジテレビ系)に起用されたことからチャートを急上昇し、最終的にダブルミリオンを突破した。同じピアノ奏者のビリー・ジョエルを敬愛するKANはビリーの「アップタウン・ガール」が特にお気に入りで、楽曲の構成や展開を研究。その結果、全編インパクトのあるメロディに転調を繰り返す「愛は勝つ」が完成したという。

情景描写よりも内面的な心理描写に重きを置き、「♪どんなに困難でくじけそうでも 信じることさ 必ず最後に愛は勝つ」とエールを送る本作は不動産融資総量規制(1990年3月)による景気悪化で “モノより心” を重視し始めた世相にもフィット。デコラティブなトレンディドラマから等身大の若者を主軸にした純愛ドラマにシフトするきっかけとなった月9ドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系/1991年1月期)が大ヒットしたのは、この歌がオリコン1位を独走していた時期だった。

胸がときめく瞬間をリズミカルに歌う、「Diamonds」


2曲目のプリンセス プリンセス「Diamonds」(1989年)は胸がときめく瞬間をダイアモンドになぞらえた歌詞をリズミカルに歌う、モータウン調のポップロック。メンバー5人が出演したソニーのカセットテープのCMに起用され、自身初のチャート1位を獲得したばかりか、平成発売のシングルで初めてミリオンに到達する出世作となった。

日常のさりげない出来事に幸福を感じることができれば人生は宝物のように煌めく。だから、これからも恐れずに行動していこう―― そんな普遍的なメッセージが込められているからこそ、本作は今も聴く者の背中をそっと押してくれるのだろう。



3曲目に配した徳永英明「夢を信じて」(1990年)はフジテレビ系アニメ『ドラゴンクエスト』第1部のエンディングテーマとしてリリースされた9作目のシングル。迷ったり、傷ついたりしながらも走り続ける “君” へ向けた優しい眼差しを、温かみのあるハスキーボイスで歌ったエールソングだ。冒険や成長を描いたドラクエの世界観に通じる歌詞を躍動感のあるサウンドに乗せた本作はアニメファンからも支持され、徳永最大のシングルセールスを記録した。

スタレビ初のスマッシュヒットとなった「君のキャトル・ヴァン・ディス」


4曲目のスターダスト☆レビュー「君のキャトル・ヴァン・ディス」(1990年)はカネボウ化粧品の春のキャンペーン・イメージソング。包容力のある根本要のボーカルで「♪もしも切なさに負けそうな時は きのうまでのメイク変えてごらん」「♪'90(Quatre-Vingt-Dix)君のルージュは '90(Quatre-Vingt-Dix)明日の色さ」とヒロインに呼びかける、“新しい自分” をテーマにした作品だ。

歌のなかでも繰り返し登場する 「♪キャトル・ヴァン・ディス」はフランス語で “90” のこと。CMがオンエアされた1990年にかけ、凍える季節から春への転換と、失恋後のリスタートを重ね合わせた春のムードいっぱいの応援ソングに仕上がっている。今年デビュー45周年を迎えるスタレビだが、本作は彼らにとって初のトップ20入りを果たすスマッシュヒットとなった。

フロントマンの根本は巧みな話術を生かして、ラジオパーソナリティやイベントの進行役としても活躍。昨年12月には親交のあったKANのトリビュートコンサート『Wabi-Sabiライブショー』のホスト役を馬場俊英とともに務め、槇原敬之、トータス松本、Kをゲストに迎えるなど、ソロとしても精力的な活動を展開している。出演者全員で「愛は勝つ」を歌う『Wabi-Sabiライブショー』の模様は3月28日に同じ歌謡ポップスチャンネルにて放送されるので、根本の卓越したボーカルやトークを是非チェックしてほしい。



逡巡する若者の心情を代弁した、槇原敬之「どんなときも。」


話を戻そう。5曲目には、その『Wabi-Sabiライブショー』に出演している槇原敬之の「どんなときも。」(1991年)をお送りする。生き方や将来に不安や焦りを感じながらも「♪僕が僕らしくあるために「好きなものは好き!」と言えるきもち 抱きしめてたい」と自分を貫こうとする同作は、バブル期の就活における悲喜こもごもを描いた映画『就職戦線異状なし』の主題歌。当時の槇原は無名に近い存在だったが、旅立ちを前に逡巡する若者の心情を代弁したリリックは映画の世界観とも合致し、サードシングルにしてミリオンセラーを記録する。

翌1992年には選抜高校野球大会の入場行進曲に採用されたほか、令和に至るまでさまざまな企業が自社CMに使用。あまたのアーティストにカバーされるスタンダードソングとなったのは時代に左右されないメッセージ性を備えている証と言えよう。

聴き手を勇気づけるエールソング、今井美樹「PIECE OF MY WISH」


さて、番組後半は今井美樹「PIECE OF MY WISH」(1991年)からスタートする。本人主演の連続ドラマ『あしたがあるから』(TBS系)の主題歌としてミリオンヒットとなった本作は「♪あきらめないで」「♪信じていて」といったワードが聴き手を勇気づけるエールソング。作詞の岩里祐穂はドラマプロデューサーから “ちょっとだけ落ち込んでいる友達を励ます歌にしましょう" と言われて書き上げたという。

2025年12月に訃報が届いた内館牧子が脚本を手がけた同ドラマは、大手商社を舞台に恋と仕事の両面で奮闘する20代OLの成長を描いた物語。男女雇用機会均等法が施行された1986年以降に社会に出た女性たちの共感を呼ぶ内容で注目され、主題歌も当時普及し始めたカラオケボックスでOLが歌う定番曲となった。作曲を担当した上田知華のセルフカバーを含め、多くのアーティストがカバーしているほか、2025年から花王ニュービーズのCMに起用されるなど、発売から35年を経た今も歌われ続けている。



パンク調の青春ロック、LINDBERG「BELIEVE IN LOVE」


しっとりとしたバラードから一転、7曲目は全編弾むようなパワーに満ちたLINDBERG「BELIEVE IN LOVE」(1991年)をお聴きいただく。ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子など、当時の若手芸人が出演していた土曜深夜のバラエティ番組『夢で逢えたら』(フジテレビ系)の5代目オープニングテーマとして起用された本作は、週末のテンションを上げてくれるパンク調の青春ロック。ミリオンを達成したアルバムからのシングルカットにもかかわらず、オリコン最高2位の大ヒットを記録した。

作詞はボーカルの渡瀬マキで、失恋した友達を励ますもの。強烈なビートに乗せて「♪夜はかならず新しい朝をつれてくる」「♪涙の数だけきれいになれると信じてる」とポジティブな言葉が続く、LINDBERGらしい友情ソングだ。

B'zのエンカレッジソング、「Wonderful Opportunity」


次のB’z「Wonderful Opportunity」(1991年)も、作詞の稲葉浩志が “辛いことがあった人が慰められるように意識して書いた” と語るエンカレッジソング。ダブルミリオンのメガヒットを記録したアルバム『IN THE LIFE』のオープニングを飾るシャッフルビートのナンバーで、「♪イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外 生きてるからしょうがない」と韻を踏みながら人生のリアルを描きつつ、「♪トラブルは素晴らしいチャンス」と励ましてくれる。

WBC、日本 × チェコ戦の試合前に東京ドームで歌唱した「タッチ」や、THE FIRST TAKEで東京スカパラダイスオーケストラとコラボした「Action」の映像などを通じて、稲葉の並外れたボーカル力が改めて注目されているが、本作からもきっとエネルギーをチャージしてもらえるはずだ。



疾走感溢れるHOUND DOGのロックチューン


続く9曲目にはHOUND DOGの「BRIDGE〜あの橋をわたるとき〜」(1992年)をセレクトした。キャッチーなメロディに乗せて大友康平の男くさいボーカルが「♪きれいごとなんか 脱ぎ捨ててしまえ」「♪あの橋をわたるとき すべてが変わる」と歌い上げる、疾走感溢れるロックチューンだ。

トレンディ御三家と言われた加勢大周が出演したアサヒスーパードライのCMに起用された本作は彼ら最大のヒットを記録。つまずくことに怯えず一歩を踏み出せば世界が変わるという、力強いメッセージが多くのリスナーの心を掴んだからに違いない。

ビーイング全盛期に発売されたDEENのバラード、「翼を広げて」


ここまで9曲、平成初期を彩った、希望を感じるJ-POPをご紹介してきたが、プログラムの締めはDEENのセカンドシングル「翼を広げて」(1993年)をお届けする。同作は1993年に開幕し、大ブームを巻き起こしたJリーグを中継する日本テレビ系の番組のイメージソング。旅立つ相手と過ごした幸福な日々を回想しつつ、未練を断ち切ってエールを送る主人公の切ない心情を歌ったバラードだ。

ビーイング全盛期に発売された楽曲で、作家陣は作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけしのゴールデントリオ。清涼感のあるコーラスにも坂井泉水、川島だりあ、大黒摩季、生沢佑一のビーイング勢が参加している。作品を提供した坂井と織田はのちにセルフカバーをしているので、聴き比べてみるのも一興だろう。以上10曲、時代を超えて愛され続ける珠玉のポップスをお楽しみいただきたい。


ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け。

▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:
・2026年3月25日(水)24:00〜25:00
・2026年4月02日(木)24:00〜25:00
▶︎ 今月のソングファイル
♪ 愛は勝つ / KAN
♪ Diamonds / プリンセス プリンセス
♪ 夢を信じて / 徳永英明
♪ 君のキャトル・ヴァン・ディス / スターダスト☆レビュー
♪ どんなときも。 / 槇原敬之
♪ PIECE OF MY WISH / 今井美樹
♪ BELIEVE IN LOVE / LINDBERG
♪ Wonderful Opportunity / B'z
♪ BRIDGE~あの橋をわたるとき~ / HOUND DOG
♪ 翼を広げて / DEEN
▶︎ 番組ページ:Re:minder SONG FILE

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