2022年 2月23日

TM NETWORK がロックバンドである理由を知るためにはライブ音源を聴くべし!

54
0
 
 この日何の日? 
TM NETWORKのライブアルバム「LIVE HISTORIA~TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015~」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 2022年のコラム 
沢田知可子「LIVE 1990&1991」“会いたい” のブレイク前後に行われた2つのライブ

還暦おめでとう!ダイアモンド☆ユカイ率いるレッド・ウォーリアーズ35周年ライブ

復活したティアーズ・フォー・フィアーズ、長い長い茨の道の果てのきらめき

還暦を迎えた “悩める子供達” ティアーズ・フォー・フィアーズの劇的な復活!

放送開始60年を迎えた「みんなのうた」と 財津和夫の新曲「想い出に話しかけてみた」

日本のシティポップを繋いできた最重要人物、村上 “ポンタ” 秀一 トリビュートライブ

もっとみる≫




TM NETWORK 再起動、ライブ音源ベストセレクトCDもリリース!


昨年10月、TM NETWORK再起動発表とともに小室哲哉の完全復帰宣言。オリジナルライブ映像作品『How Do You Crash It?』の3部作がオンライン配信されたばかりのTM NETWORK。そして満を持してそれらをまとめたBlu-rayも4月21日に発売が決定。併せてライブ情報も解禁となりそうだ。

次々に情報が飛び出す中、2月23日には、これまでのライブ音源からベストセレクトされたライブCD『LIVE HISTORIA ~TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015~』も発売された。『T』盤はソニーミュージック盤、『M』盤はエイベックス盤として2タイトル同時発売。新規リミックス音源も多数収録されている。

その発売を前に、バンドのサポートメンバーだったギタリストの葛城哲哉と、現在、ボーカル・宇都宮隆のソロ活動にキーボーディストとして参加、欠かせない存在となっているnishi-kenによる『TM NETWORK LIVE CD発売記念!葛城哲哉×nishi-ken TMライブを語る!』という動画も配信されている。

そんな2人がTM NETWORKの魅力について、熱く語り合う会話の中に特に心に残る言葉があった。

「俺がTMに参加してびっくりしたのは、みんな電気プラグを抜いたら終わりの奴らだと思っていたけど(笑)、俺よりロックバンドな感じだった。ちゃんとした70年代のオールドロックも入っている人たちだった(葛城)」
「TM NETWORKはアナログの部分が最大の魅力。だからこそライブが面白い(nishi-ken)」

まさに2人が語るように、この “アナログさ” と、最新の “デジタルサウンド” の絶妙なバランスこそが多くのファンを引きつけて止まないTM NETWORKの大きな魅力であり、素晴らしさなのだと思う。

デジタル、アナログそしてヒューマンが織り成す音楽世界


TM NETWORKといえば、とにかくデジタルサウンドばかりに注目が行きがちだった。

特に80年代、BOØWY、レベッカといったバンドの登場によって、日本の邦楽シーンは一気にバンドブームへ突き進んだ。“TMのファン” と言うと、「あ~…」と冷めた反応をされることが多かった。それは “デジタルに頼るなんて音楽じゃない。生楽器の演奏こそ音楽の凄さだからね” といった皮肉めいたもので、本当の意味でのTM NETWORKの魅力がなかなか伝わらず、悔しい思いをしたFANKSも多かったはずだ。

けれど、ひとたびライブに足を運ぶと、そうした皮肉さや誤解、偏見は一気に覆される。

小室哲哉のキーボードによる最新鋭のデジタル音と、バックバンドの生音との融合はまさにロックそのものだったし、宇都宮隆が激しくダンスしながらも、それでも揺るがない見事な歌声を聴かせ、木根尚登の温かなハーモニーが混ざり合う。それは “デジタル”と“アナログ”、“ヒューマン”の絶妙なトライアングル。クールなデジタル世界に、温もり溢れる楽曲もしっかりと存在する稀有なアーティスト、それがTM NETWORKだ。

小室哲哉はエマーソン・レイク・アンド・パーマーなどプログレをルーツに持ち、木根尚登はフォークを、宇都宮も木根と同じくフォークや歌謡曲を愛した。それぞれの音楽性が融合し、TM NETWORKの音楽に繋がっている。そしてステージを一歩離れると、メンバー3人のおっとりとした温かな性格も、クールな音楽性に傾きすぎない絶妙なバランスにどこか反映されているようにも感じる。

必見! 「FANKS FANTASY DYNA-MIX」のライブパフォーマンス


今回のアルバムリリースを受けて、個人的ベストライブパフォーマンスを選ぶとすれば、どれになるだろうか…。思春期に生で経験した『FANKS DYNA☆MIX』(1986年)、『FANKS! BANG THE GONG』(1987年)、『Kiss Japan』(1987~88年)など80年代のツアーは絶対に外せない。

そんな中から絞りに絞って一つだけ選ぶとすれば、1986年、読売ランド・オープンシアター EASTで行われた『FANKS “FANTASY” DYNA-MIX』かなと思う。昔から特にこのライブは大好きだ!!

3人が幾何学模様の衣装に身を包み、「All-Right All-Night」から幕が開く。「Come on Let's Dance」、「NERVOUS」と歌い上げていくウツは最高にロック! メロディアスで隠れた名曲「FAIRE LA VISE」で、カメラに向かって指さしする汗まみれのウツは、あまりにもセクシーでクラクラする。印象的なリフが繰り返され、そのすべてを手引きしている小室の軽やかな指の動きにも思わず見とれてしまう。

このライブでは、キーボードタワーの前で軽やかにステップを踏む小室の姿も珍しくて、長いヘッドアクセをひらひらさせながら踊る姿は、まるで漫画の中の美少年そのもの。木根もまたウツの隣で体を揺らしリズムを取りながら、美しいコーラスワークで混ざり合っていく。

3人のほとばしるエネルギーを感じさせるこのライブは、今見ても超絶カッコイイ!! 今回は残念ながら未収録になってしまったが、ファン投票ではこのライブもしっかりランクインしていた。

まるで新曲! ライブごとに施されたアレンジを聴き逃すな


今回、T盤、M盤には「Be Together」、「DON'T LET ME CRY」、「Love Train」、「Get Wild」など、同じ曲が収録されていて、アレンジの違いが楽しめるようになっている。

TM NETWORKといえばライブごとにアレンジが施され、常に曲が進化していくのが醍醐味でもある。改めて今回のCDで聞き比べてみるのも楽しそうだ。

さて2022年、TM NETWORKは私たちをどんな世界に導いてくれるだろう。次々に新情報がアップデートされていく今、片時も目が離せない!

そして最後にソニーさんにお願いがあるのです…。ライブCDに続き、どうか過去のライブ映像の完全版をぜひともリリースお願いします!!

▶ TM NETWORKのコラム一覧はこちら!



2022.02.23
54
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
村上あやの
コラムリスト≫
54
1
9
9
0
一度きりの紅白出場、宮沢りえ「Game」はボウイとレノンにトリビュート!?
カタリベ / 宮木 宣嗣
45
1
9
8
4
過去と今の私をつないでる、タイムマシン(TM)ネットワーク
カタリベ / Maria
50
1
9
8
5
爆発のときを待っていた渡辺美里、すべては「GROWIN' UP」から始まった!
カタリベ / 佐々木 美夏
38
1
9
8
7
LPにはないガジェット感、CDだけで発売された TM NETWORK のベスト盤!
カタリベ / 吉井 草千里
56
1
9
9
6
小室哲哉プロデュース!限定【90年代の冬うたランキング】ベスト10 
カタリベ / 長井 英治
24
1
9
9
0
渡辺美里「サマータイム ブルース」初作曲のシングルは夏の胸キュンソング
カタリベ / 村上 あやの