当時、私がいた高校のクラスではアルバムの貸し合いが流行っていて、人気は洋楽ならアースウィンド&ファイアーの「Faces 」(1980年) や「Raise! <天空の女神>」(1981年)あたり。邦楽なら「テクノポリス」「ライディーン」が収録されているYMOの2ndアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」(1979年)やスネークマンショーとのコラボレーションで知られる3rdアルバム「増殖」といったテクノだった。正直なところ、当時の自分にとってテクノは新しすぎてついていけない感じがあった。
そんな中でラジオの音楽番組で偶然聴いたベンチャーズのギターに私は衝撃を受けた。彼ら独特のテケテケ奏法がテクノサウンド風のアレンジで変貌し抜群に格好良くなっていたからだ。とにかく耳触りが良く強烈にハマった。
それがアルバム『カメレオン(CHAMELEON)』(1980年)の収録曲「Salty Dog」や「MUSHIKU」だった。私はこのベンチャーズのアルバムを迷わず購入。クラス内レンタルで意外にも人気を博することになる(一度貸したら何人もの手に渡って3ヶ月は手元に戻ってきませんでした)。
「Salty Dog」は加藤和彦さんがシングル発売したCMソング「ソルティ・ドッグ」と同曲。そしてこのベンチャーズのアルバム「カメレオン」自体も加藤和彦さんのプロデュースにより日本で制作されたもの。
とにかく作曲に参加したアーティストの豪華さに驚く。YMOの面々のほか、映画音楽の巨匠である梅林茂さん、高橋幸宏さんとザ・ビートニクスで活躍した鈴木慶一さん、クリエイションの竹田和夫さんという面子。なかでも幸宏さんが作曲した「スイミング・スクールの美人教師」はお気に入りの一曲。高校生にとっては、この題名のインパクトだけで何度でも聴けてしまう。それにしてもホント、そそる良いタイトルだなぁ~(笑)。
2015.12.23
YouTube / VenturesPops
Information