6月21日

効果絶大!オフコースの「Yes・No」は歌い出しからいきなり#転調

116
6
 
 この日何の日? 
オフコースのシングル「Yes・No」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1980年のコラム 
70歳のジョン・ベルーシ、ブルースは続いていく!

ローリング・ストーンズは最大の解散危機をどう乗り切ったのか?

ダイアナ・ロスとシックのガチンコ対決、勝ったのはどっち?

5cm の向う岸 — 松任谷由実とアガサ・クリスティーの交差点

時のないホテル、ユーミンが松原正樹に頼った動かぬ証拠がコレだ!

高橋ユキヒロ「音楽殺人」アナタはスイミングスクールの美人教師に会いましたか?

もっとみる≫



photo:UNIVERSAL MUSIC  

さて、第3回です。今回はいよいよ「転調」の話。でも、「転調」とは何か。これは説明が難しいのです。ごくごく簡単に言えば、音楽の空気感を支配する「キー(調)」を変えて、聴き手の気持ちに変化をもたらす手法です。

分かりやすく言えば、カラオケの機械で、キーを変えると、全然違う曲に聴こえることがあると思います。あのような気持ちの変化を、音楽的に、作為的にもたらすのが転調とお考え下さい。

その中でも、いちばんストレートな転調は、「曲の途中でキーが半音上がる転調」です。代表作として、米米CLUBの『浪漫飛行』はどうでしょう。

曲の大サビ=「♪一人じゃない もう一度 空へ」の後の、「♪その胸の中までも」のところで、視界がすーっと広がる感じがしませんか? あれが半音上がる転調です(キーがB→C)。

で、今回のオフコースの『Yes・No』です。あの曲では実は、曲の途中ではなく、イントロから歌い出しに入るところ=「♪今なんていったの」のところで、いきなり半音上がっているのです(これもキーがB→C。ぜひ下の映像で確かめて下さい)。

「いきなり歌い出しで半音上に転調」の効果は絶大だと思います。歌い出しの歌詞が「♪今なんていったの 他のこと考えて~」ですから、「他のこと」から「君」に意識が戻る感じと、キーが半音上がることによる空気感の転換が、ぴったりと合っていると感じるのです。

「いきなり歌い出しで転調」の他の例としては、ビートルズにはいくつかあって『アイル・フォロー・ザ・サン』や(C→G:5度上)や『グッド・デイ・サンシャイン』(E→B:5度上)など。変わったところでは、大滝詠一『君は天然色』が、「♪くちびるつんと~」の歌い出しで、1音下(E→D)にズドンと下がります。

でも、最も有名で、かつ最もクレイジーなのは、デレク・アンド・ザ・ドミノス『いとしのレイラ』の「いきなり歌い出しで半音『下』への転調」でしょう(Dm→C#m)。ぜひ確かめてみて下さい。

あと、オフコースで言えば、『Yes・No』の前年=79年に発売され、世間的に彼らが認知されるきっかけとなった『愛を止めないで』における、「間奏で1音上転調」(C→D)も効果絶大でした。こちらもおすすめです。

2017.04.16
116
  Spotify


  YouTube / kumation1
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。


おすすめのボイス≫
1962年生まれ
Takeuchi Hitomi
オフコースは稀代の転調王だと思っています。
2019/06/21 14:29
0
返信
1967年生まれ
肉欲 棒太郎
僕のカラオケ定番曲。
2018/06/22 00:26
3
返信
1965年生まれ
マイケル上大岡
イントロのフリューゲルホーン(トランペット)のキー(B♭管:C=B♭)の関係でライブ演奏では「B♭→B」の転調です。自分的にはこちらの方がしっくりきます。
2017/04/18 10:04
4
返信
カタリベ
1966年生まれ
スージー鈴木
コラムリスト≫
36
1
9
8
4
圧倒的な “声” の魅力、太田裕美は「木綿のハンカチーフ」だけじゃない!
カタリベ / 前田 祥丈
67
1
9
8
3
安全地帯「ワインレッドの心」玉置浩二は9th(ナインス)の魔術師
カタリベ / スージー鈴木
70
1
9
8
2
笑っていいとも!「ウキウキWATCHING」作曲者・伊藤銀次は “全冷中” だった!
カタリベ / 伊藤 銀次
41
1
9
9
1
5月18日は槇原敬之の誕生日 − 時代が求めたメロディ「どんなときも。」
カタリベ / 指南役
75
1
9
8
5
中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」が持つ奇跡的フレーズの音楽性 ①
カタリベ / スージー鈴木
85
1
9
8
1
1997年のア・ショート・バケイション 〜 大滝詠一との出会いと別れ
カタリベ / スージー鈴木