10代後半の頃。クラスの女子の半数くらいはオザキに夢中でしたが、私はその当時大貫妙子さんと山下達郎さんが好きで、仲の良かった友人がどれだけ熱くオザキを語っても「オザキは違う」と思っていました。
そんな中、同じクラブの男子たちの間で浜田省吾さんのアルバムを貸し借りし合っていて、クラブ内でちょっとしたブームになっていました。ある日、クラブの同学年のメンバーでの集まりがあり(クリスマスパーティーだったかな)、ラジカセを持ってきた男子が、浜田省吾さんのニューアルバムを BGM にかけてくれました。
そのときの第一印象は、「オザキっぽい」。
でもよくよく聴いてみると、歌詞の中の「ボク」は予備校でお勉強していたり、通勤ラッシュの中、毎日ちゃんと電車通勤していたりして、そんな日常に時たま疑問を抱きつつも、こつこつマジメに生きている―― そんな内省的な男子像に共感を覚えました。
そして、ハマショー好きの男子のエアギターと共に「J.BOY」の前奏が始まった瞬間、“稲妻が体を駆け抜け” 私のハマショーファン歴がスタートしたのでした。
ハマショーの歌の中の男子を語り出すと長くなってしまうのですが、要約すると、「ボク」も「オレ」も基本的には内省的でマジメ。でも資本主義社会には迎合してなるものかと「金で買えないもの」を探し続ける悩める男子達ですが、一方でお茶目さも持ち合わせています。
他人のバイクを盗むような犯罪は犯さないけど、“君のオヤジの車 夜更けに盗み出す” くらいの大胆さを見せる一面もあり、とてもバランスのとれた男子なのです。成績は偏差値65くらいと思います。
ライブに初めて行ったとき、まるで CD を聴いているかのような安定した音程と声量、バンド全体の演奏のクオリティーに、浜田省吾さん自身もマジメにコツコツ仕事をする人で、そういう人の周りには同じようなマジメな人たちが集まるなんだなーと、人生のヒントを教えてもらった気がしたのでした。
※2016年2月23日に掲載された記事をアップデート
2018.09.04
YouTube / SHOGO HAMADA Official YouTube Channel
YouTube / 浜田省吾 Official YouTube Channel
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