12月31日

伊藤銀次の80s:新時代へ突入!めくるめくまぶしい変革と革新のディケード

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伊藤銀次が胸まであった長い髪をスパッと切った日
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おお!! 輝かしき80年代!!

いまあの頃のことを思い出すだけであのワクワク感が戻ってくるね。

それは音楽だけでなく、さまざまなジャンルで多くのめくるめくまぶしい変革と革新が起こったディケードだったから。

特に音楽の世界では MTV の誕生やイギリス勢が大挙して米国に襲来したブリティッシュ・インヴェイジョン、テクノポップに端を発したコンピューターを使った、いわゆる「打ち込み」といわれる新しい音楽制作スタイルなど、それまでの音楽のありかたを一新するような時代へ突入した感が強かった。

その変貌ぶりは、僕のように60年代にビートルズの洗礼を受けてポップロックの道に入ってのち、60年代、70年代と音楽シーンを追いかけてきたものにとっては、音楽のあり方の初期化、一種の新規まき直しに見えたものでした。

50年代に生まれたただのエンタメだと思われていたロックンロールが60年代のビートルズやディランなどの手によって、それまでの「3分ポップス」から成長し始め、フォークロックやプログレやシンガーソングライター、シングル盤からトータル・アルバムのへのアーティストの表現の比重の変化などの現象を生み出した。70年代はこうしたロックミュージックの成熟のディケード(10年)で、ついには70年代末には大人のためのロックという名の AOR が生まれるにあたり、ここで一つのゴール、すごろくでいう「あがり」を迎えたかに見えた。

ところがまさにその AOR 誕生と同時に、突然シーンに切り込んできたのが、シンプルでストレートな「パンクロック」であり「ニューウェイブ」。こうしてバトンが次の世代に渡された途端、80年代が始まったのであった。

かくいう僕はビートルズから音楽に入りこの成熟の過程を辿ってきたものだから、実はなかなか新しい流れを受け入れることができず、ずっとある種の頑ななこだわりを持ち続けていたのである。

その一つの意思表示の証が、胸のあたりまで伸びたロングヘアー。

今から考えると何をこだわってたんだろうと笑ってしまうけど、その髪を切ることは自分のロック魂を捨てることだと本気で固く信じていたのです。

その気持ちを溶かしてくれたのが、ポリス、クラッシュであり、エルヴィス・コステロやニック・ロウに代表されるパブロック、バグルスの「ラジオスターの悲劇」、そしてその時はまだまったく無名だったけれど、次の時代をまちがいなくリードしていく予感を僕に感じさせてくれた佐野元春との出会いでした。

おお、時代が変わってきてる。またわかりやすくポップな時代がやってきているんだと実感した時、これまでのこだわりは嘘のように溶けて行きました。そして僕は1979年12月31日に床屋に行き、胸まであった長い髪をスパッと切ってしまったのでした。

その時の爽やかだったったこと!

ずっと背負っていた重い荷物を置いた瞬間に、僕の前で80年代の扉が開き、僕を手招きしながらウェルカムしてくれたのでした。

そんな僕がこのリマインダーで80年代についてなにか書いてほしいという依頼を受けました。おお、望むところだあ!

もちろん、いいとも!!

毎回読み切りで思いつくままにエッセイのように、僕自身が体験してきた、僕にしかかけない80年代を書いていこうと張り切っています。今振り返って、なるほどそういうことだったのか、これはあそこから始まってたのか、などの発見があるコラムになってけば幸いです。

それではみなさんよろしくチェキラ~!!

2019.01.27
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