ひとつ前のアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』で描かれた、小さな工業都市で育った少年たちの姿。それはまさしく浜田自身にも重なっていて、その少年たちがその後どうなったかというのが『J.BOY』なんだと彼は言っている。最初は2枚組にするつもりはなかったようだが、少しずつ曲を作っていくうちにどんどん曲数が多くなっていって、かなり出来た段階で『J.BOY』というものの焦点が合ってきた、とも。
少年が街に出たり、大学生になったり、社会人になったりして、その中でどうしてもデビュー曲の「路地裏の少年」の再収録が必要だったし、「遠くへ」とか「19のままさ」という「路地裏の少年」を作っていた時期の曲も必要だったとのことだ。「遠くへ」は、学生運動というテーマがヘビーだという理由でストックしてあった曲、「八月の歌」や「A NEW STYLE WAR」は戦争をテーマにした曲、これらもラインナップに入れてみた時に全部がフィットして、結果的に2枚組の大作になったようだ。