ジェフリアと言えば、バンド名にもなっているグレッグ・ジェフリアだ。1970年代から、エンジェルのキーボーディストとしてシンセサイザーを操り、ロックにシンセを大幅に取り入れた一人。
しかし、1970年代から1980年代のロック界では次々とギターヒーローが現れ、よく多く取り上げられ話題になったのは、キーボーディストよりもギタリスト。ロックバンドにおけるギタリストの重要性が大きくなっていった時代に、シンセを全面に押し出したグレッグ・ジェフリア率いる「ジェフリア」は少々主流から反れていた感はあった。
このアルバム『THE AWAKENING 美伝説・ジェフリア』でギターを弾いているのはクレイグ・ゴールディ、後にロニー・ジェイムズ・ディオ率いるディオに加入するギタリストである。このアルバムを聴いた当時、ギターが弱いとは思わなかったが、やはりシンセがメインになっていることはよく分かった。
シングル・カットした「コール・トゥ・ザ・ハート」は全米FM局でブレイクし、異常な速度でシングル、アルバム共に急上昇、ハードロック・ルネッサンスの新しいページをめくり始めている(アルバムのライナーノーツより引用)、かのように思えたが、1980年代前半にヒットを飛ばし続けていた、あのジャーニーと似ていると揶揄されたりもして、その後はヒット曲に恵まれなかった。
ビジュアルと実力を兼ね備えたジェフリアであったが、比較された相手がジャーニーだったというのは喜ばしくもあり不運でもあったのかもしれない。そして産業ロックという(その是非が話題にもなったりもしたが)波に乗り遅れたかのように、その波の影響を受けたバンドの一つだったのかもしれない。
グレッグ・ジェフリアの生み出す様式美、世界観は他に劣ることはなかったと個人的には思っているのだが、時代の流れや混沌としたロックの変革に翻弄され、オーディエンスの支持を集めきれなかった不遇のバンドだったようにも思う。もし… だったら… はタブーではあるが、ジェフリアが5年、いやあと3年でも早く、産業ロックの成長期にアルバムデビューしていたらどうであったろうか? そんなことを考えてしまった。
2016.07.10
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