ヘアスタイル!
今も昔も若者にはコレ、極めて重要。“こんな髪型にしたい!” という願望は、若い頃の自分にもあった。
とりわけ、エコー&ザ・バニーメン(以下、バニーズ)のイアン・マッカロクには、そりゃあ憧れた。
イアンは、高校生の頃の自分には不動のアイドルだった。バニーズが奏でるダークな音世界は、自分がそれまで洋楽で聴いたことがないものだった。ひと言で言うとクラい。が、なんだかシミる。
リアルタイムで初めて聴いた彼らのアルバム『ポーキュパイン(やまあらし)』をはじめとするジャケの寒々しさも、雪国の人間にはグッときた。
この人は、たぶん俺の味方だ! 髪型、マネてもいいっすか?
しかし高校には校則というものがある。
前髪が目にかぶさり、てっぺんはツンツン、後ろ髪が肩まである奇抜なヘアスタイルが許されるはずもない。自室のドアに貼ったアルバム『オーシャン・レイン』購入時のポスターを眺めつつ、色々頑張って抵抗してみた。
が、校内で目をつけられるのはイヤだったので止めましたよ。楽しみは進学後にとっておこう。
で、進学した。自由を得た。やってみた。悪くないと思った。
が、その頃には違う問題持ち上がる。当時。人気のあった女漫画に描かれていたイケメン・キャラクターが(何という漫画かは覚えていない)、イアンの髪型と一緒。少女漫画のキャラと同じ髪型と勘違いされるのは、男子として、また気難しいインディ・ロックファンとして、気持ちがよくないものだ。
何より、明らかにイアンのビジュアルから影響を受けたこの漫画キャラがイアン以上にスマートでスリムなのには参った。二次元との比較はイヤだ…… 20代なりの面倒なコダワリゆえ、このアタマ、終了。
2016年、イアン・マッカロクは単独で来日し、アコースティック・ライブを行なう。昔からのファンとしてはチケットを押さえました。髪型も久々に真似てみるかと思ったけれど、生え際が後退し、髪質もパッサパサの今ではどうもならん…… と瞬時に却下した。
2016.10.21
YouTube / marko Van L.
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