80年代のブルース・スプリングスティーンの代表作といえば、言わずもがな「ボーン・イン・ザ・USA」。いまだにブルースといえば「ボ~ン・イン・ザ・ユエスエィ!」と歌ってしまう方も多いでしょう。そんなアルバムタイトル曲が有名過ぎてアルバムからのファースト・シングル「ダンシング・イン・ザ・ダーク」は忘れられがちです(「ボーン~」はアルバムから3枚目のカット)。
実は、この「ダンシング・イン・ザ・ダーク」のPVを監督しているのが「アンタッチャブル」や「ミッション・インポシブル」などで知られる巨匠ブライアン・デ・パルマなのです。PVの内容はライヴ・パフォーマンスの映像です。ザ・ベストテンで、スタジオに来られない歌手がライヴ会場からライヴを中断してランクイン曲を歌うような雰囲気で撮られたんだろうなと勝手に思ってました。
ですが、実はこの曲のPV撮影の為に観客は全員エキストラとして動員、セットも全部こしらえて制作したそうです。最後にステージにあげられてブルースと一緒に踊る客も当然仕込み。しかもその客はTVドラマ「フレンズ」のモニカ役でお馴染みコートニー・コックス!
そう思って見直すと実によくできているPVです。デ・パルマらしい360度回転やスローモーション、分割画面などの手法は見られませんが、デ・パルマらしい長回しショットは、わずかに感じられる部分があります。ブルースやメンバーのカットもこれぞお手本と言わんばかりの名ショット連発です。
何よりブルースが自然体でパフォーマンスしているのが印象的です。PV撮影なのに服装も自然体過ぎる!実にノリのいい客も監督から色々指示が出てたんでしょうねえ、とか考えるとちょっと意地悪ですが全体的には実に素敵な作品だと思います。
2016.06.08
YouTube / BruceSpringsteenVEVO
Information