10月31日

ローリング・ストーンズの代表曲、トップを獲れなかった80年代洋楽の金字塔!

28
2
 
 この日何の日? 
ローリング・ストーンズのシングル「スタート・ミー・アップ」がビルボードHOT100で最高位(2位)を記録した日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1981年のコラム 
アトミック・ブロンドが更新した「アンダー・プレッシャー」の新たな意味

フレディとボウイの「アンダー・プレッシャー」ストーリーはまだ終らない

カナダの至宝!ラッシュ vol.1~ 欧米と日本での人気格差が激しすぎ!

孤独の男の叫びを聴け!ハードロック界の横山やすし、グラハム・ボネット

ヴォーカリーズの草分け、観ても楽しい♪マンハッタン・トランスファー

松任谷由実の冬アルバム「昨晩お会いしましょう」ここから始まる第2次ユーミンブーム!

もっとみる≫



photo:Rock Album Artwork  

共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.17
Start Me Up / The Rolling Stones

いまだ現役 奇跡のバンド、ザ・ローリング・ストーンズ


イギリス出身のロックグループという意味では、ビートルズとローリング・ストーンズは “双璧” と言って良いような突出した存在として音楽シーンに君臨している。ビートルズは40年以上も前に解散しているが、ローリング・ストーンズはいまだ現役バンドとして活動しているのだからよくよく考えてみると奇跡と言ってもいいのかもしれない。

ストーンズの全米シングルチャート・ナンバーワン曲は、英ロックバンドとしてはビートルズの20曲に次いで8曲を保持する。歴代グループとしても、ビートルズ(20曲)、シュープリームス(12曲)、ビー・ジーズ(9曲)に次ぐ4番目に位置し、60年代から90年代にかけてのおよそ40年の長期間にわたってチャートイン・ヒットを残し続けていたのは、他にはスティーヴィー・ワンダーくらいしか見当たらない。

ストーンズの最盛期(あえてそういう言い方をするなら)は、8曲の全米ナンバーワンソングを輩出した60~70年代ということになろう。それぞれのディケイドでの代表曲ならば、60年代は「サティスファクション」、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、70年代は「悲しみのアンジー」、「イッツ・オンリー・ロックンロール」あたりが挙げられるが、それでは80年代は……?

ストーンズの80年代決定的ヒット「スタート・ミー・アップ」


60~70年代に比べればヒットの勢いは多少衰えたとはいえ、80年代にも攻撃的MVが話題となった「アンダー・カヴァー・オブ・ザ・ナイト」、渋い60年代R&Bのカバー「ハーレム・シャッフル」等のヒット・ソングが印象に残っている方も多いと思われるが、ストーンズの決定的80年代ヒットといえば、「スタート・ミー・アップ」以外の何物でもない!

80年代15番目に生まれたナンバー2ソング「スタート・ミー・アップ」は、もちろんストーンズにとって80年代最大規模のヒットであったこともあるが、80年代洋楽の中でも10本指に入るほどの代表曲として語られることが多い。ほとんどの人がこの曲こそ全米ナンバーワンを獲得したと思い込んでいるだろうし、ある種の歴史的ヒットソングの貫録を備えて独り歩きした作品として捉えられている感もあるほどだ。

「スタート・ミー・アップ」がリリースされたのは1981年、大ヒット「ミス・ユー」を擁したアルバム『サム・ガールズ』(米だけで400万枚のセールス!)の後を受けた『エモーショナル・レスキュー』(1980年)で若干の人気落ち込みのあった時期での、まさしく爆弾投下だった。

80年代洋楽の金字塔的作品、実は70年代のアウトテイク


わかりやすく覚えやすい単純明快なギターリフとメロディ、60年代ロックンロールへの原点回帰を果たしながらもフレッシュで勢いを備えた普遍的ポップソングの魅力満載なこの作品には、なんだかんだ吠える外野に向かって「お前ら、こういうヒットソングが欲しかったんだろ、ああ~ん?」とでも言いたげな余裕綽々なストーンズのメンバーが透けて見えたものだ。まるでモンスターと化したU2が「ヴァーティゴ」を投下したのを彷彿とさせるが、それほど「スタート・ミー・アップ」の横綱相撲っぷりは鮮やかだった。

実は「スタート・ミー・アップ」は名盤『ブラック・アンド・ブルー』(1976年)録音時のアウトテイクであり、収録アルバム『刺青の男(Tatoo You)』(1981年)のほとんどが過去のアウトテイク集だったという衝撃の事実が存在するわけで、不仲の極みによって新作の録音ができなかった中でのこの大ヒットを、メンバーの誰もが予想だにしなかったということだ。

いずれにせよエンジニアのボブ・クリアマウンテンの手腕が如何なく発揮された「スタート・ミー・アップ」(及びアルバム『刺青の男』)は、グループにとっての代表作であることはもとより、80年代洋楽の金字塔的作品として輝き続けている。


Song Data
The Rolling Stones
■ (I Can't Get No)Satisfaction(1965年1位)
■ Jumpin’ Jack Flash(1968年3位)
■ Angie(1973年1位)
■ It’s Only Rock’n’Roll(But I Like It)(1974年16位)
■ Miss You(1978年1位)
■ Start Me Up(1981年2位)
■ Under Cover Of The Night(1983年9位)
■ Harlem Shuffle(1986年5位)

U2
■ Vertigo(2004年31位)



※ KARL南澤の連載「共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味」
ジャンル、洋邦、老若男女を問わないヒットソングにある ‟共有感”。米ビルボードのチャートがほぼそのまま日本における洋楽ヒットだった80年代。ナンバーワンヒットにも負けず劣らずの魅力と共有感が満載の時代に生まれたビルボードHOT100 2位ソングを紐解く大好評連載。


※2017年2月20日に掲載された記事をアップデート

2020.10.31
28
  YouTube / The Rolling Stones
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
コラムリスト≫
20
1
9
7
8
♪バーイセコ、バーイセコ、潮風に吹かれて40年後のバイシクル・レース
カタリベ / 時の旅人
25
1
9
7
7
サンタクロース、金よこせ! ひねくれ者のクリスマスはキンクスで決まり?
カタリベ /  白石・しゅーげ
32
1
9
8
1
等身大のジョン・レノン、メリーゴーラウンドからは降りられたのか?
カタリベ / 宮井 章裕
19
1
9
8
8
ブルーノートの社長は名プロデューサー、Was (Not Was)やってました
カタリベ / DR.ENO
37
1
9
8
6
エアロスミスを世界にリマインドした RUN DMC「ウォーク・ディス・ウェイ」
カタリベ / 中川 肇
22
1
9
8
1
共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.13
カタリベ / KARL南澤