先日、弟とお墓参りに行った際、車中で Apple Music を使って「80年代の音楽イントロ、ドン!」をやり始めたらエイティーズの話が止まらなくなってしまった。 弟は4つ下で私が中学生の時に小学生。『SONY MUSIC TV』や、TVK の『ミュートマ(Music Tomato)』を姉弟で一緒に観て、姉のレコードやカセットを聴く洋楽大好き少年だった―― 小学生でザ・スミスやデペッシュ・モードまで聴くって渋くない? 私が小学生の時にそんな子がいたら、惚れてたわ。 そんな弟とは2回一緒にコンサートに行ったことがある。2012年のモリッシーと1995年のジョー・ジャクソンだ。 私はアルバム『ナイト・アンド・デイ』を聴き、ピアノを効かせたちょっと大人っぽいけど最高に POP な音楽を作る彼に弟と揃ってやられてしまったのだ。だから、私のなかにあるニューヨークのイメージは、中でも最高のヒット曲「ステッピン・アウト」によって作られている。ニューヨークの街をタクシーで走っているとラジオから流れる曲… そんな妄想をしては、「ひゃー! 外国の曲ってすごいね。格好いいね!」なんてことを話しながら、ユリンベ姉弟はバタバタしていたのでした。 そして、程よく二人が大人になった1995年にジョー・ジャクソンの来日が決まり、私は二人分のチケットを取った。 コンサートのちょっと前に弟が「姉ちゃん、ジョー・ジャクソンが載っているよ。超かっこよくない?」と目をキラキラさせて音楽雑誌を持ってきた。その雑誌の名前は忘れてしまったけど、記事は「カメレオン・ダンディ / ジョー・ジャクソン」というタイトルで “アルバムごとに特色をガラッと変えるスタイル” をちょっと爬虫類っぽい彼の写真と合わせて紹介していた。確かにものすごくかっこよかった。 さて、コンサートが行われたのは渋谷のオーチャードホール。当時はアルバム『ナイト・ミュージック』を出したばかりだったし、盛況に違いないと踏んでいたのだが予想に反してホールは驚くほど空席が目立った。私たちがいた席より良い席、正面の前の方の列がスカスカなのだ。後ろのブロックもほとんど空いていた気がする。 そんな時、あなたならどうします? コンサートが始まってもガラ空きだったら前席に移るよね。だって、せっかく日本まで来てくれてるんだから、空席目立たせたくないよね。 ―― という訳で、スタートと同時に私は猛ダッシュ。ただし、他の観客に迷惑にならないようになるべく忍者のように静かに、腰を低くして目立たないように移動。そのとき、ジョーは私に微笑んでくれた気がする… が、ろくに移動しない内に、係のお姉さんに素早く私は捕獲された。 「チケット拝見しまーす」 元の席に戻された… クゥゥ残念。ちなみに、弟はマナーのちゃんとした良い子なので決められた席で私を待っておりました。 その日のコンサートは本当にすばらしく、彼のピアノ演奏も堪能できて、よく伸びる声も生で聴くことができて嬉しかった。行ってよかったと思えるコンサートだったし、もっと沢山の人と感動を分け合いたい、そんな素晴らしい内容だった。 最後に、自分のベストを客席に投げ入れてくれて… あれ、欲しかったなあ。うまいこと前に移動できてればなぁなんて思ったけど、彼の大ファンであろう方の手元に渡ったのでそれはそれで良かったのだ。 でも、次は初めから前の席で聴きたいなぁ。今度はビルボードライブで公演なんてどうかしら? クラッシック、ジャズ、ポップと多彩なカラーで大人を酔わせてくれるはず―― ビルボード様、どうか、どうか、ジョー・ジャクソンを呼んでくださーーい!!
2018.06.13
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YouTube / JoeJacksonVEVO
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