アイアン・メイデンといえば、忘れてはいけないのがバンドのキャラクターであるエディ・ザ・ヘッド、通称エディです。
最初はステージ上で派手さを加えるためのワンポイントとしてマネージャーが考案、被り物を制作、自ら装着してステージに登場したそうです。バンドのメジャーデビューにともないシングルやアルバムのジャケットにこのキャラクターを登場させようということでイラストレイターのデレク・リグス氏によるエディが完成しました。
ジャケットに初めて登場したのが、バンドとして初のシングル「ランニング・フリー」。まだ闇に閉ざされ顔がちゃんと描かれてませんでした。続くシングル「サンクチュアリ」では当時の英国首相サッチャーをエディが殺害するというショッキングなもの。
そして、そのエディの顔面アップを施したデビューアルバム『鋼鉄の処女』で世界的にエディの認知は広まりました。「新しいメタルの夜明け」とも言えるサウンドとその強烈なアートワークのミックスはまさに最強、バンドはいきなり大ブレイクするのです。
その後、バンドの勢いに負けず劣らずエディは大暴走を始めます。殺人鬼から悪魔、囚人など様々なものに姿を変えていきます。5作目のアルバム『パワースレイヴ』の頃には、スフィンクスやミイラになり「遂に死んだかな?」と思わせつつ、ライヴアルバム『死霊復活』で文字通り復活。「やっぱり」と思わせてくれたりします。
この徹底したキャラ戦略はTシャツ(よくレディー・ガガとかが着てますよね)やフィギュアなどのマーチャン・マーケットでも爆発的に大成功、ゲームなども制作されました。マスクを被っただけだったステージ上も今では巨大ロボットと化したエディが観客を楽しませてくれます。
そして遂にメンバーのツアー専用の飛行機になりました。その名も「エド・フォース・ワン」。ヴォーカリスト、ブルース・ディッキンソン(UKで飛行機のTV番組のホストもしてました)が操縦、エディの飛行機で世界中をツアーするという夢みたいなことを本当にやってしまうところがこのバンドの凄いところ。バンドの歴史はエディの歴史でもあるのです。
ちなみに私が好きなエディは前述の『パワースレイヴ』。ピラミッドに収まったスフィンクス・エディがなんとなくかわいく見えてしまうのです。番外編として昨年の来日公演、両国国技館でのTシャツのエディも最高。力士を投げ飛ばすエディのまわしに「勝者」の文字。あっぱれですな。
2017.04.12
YouTube / Iron Maiden
YouTube / Loudwire
Information