アイアン・メイデンやジューダス・プリースト、オジー・オズボーンやレインボー等々、正統派ヘヴィーメタルにドはまりしていた中学生時代。周りの「メタル友達」らと貸し借りをしながら、様々なバンドを聴き漁りました。
そうなってくれば当然マイナーどころにも手が伸びてきます。いち早くその新しい音を聴いた友人からの評価を聴きながら自分がLPを購入するか、借りてきてカセットテープに録音するかなどを判断します。
そういったやりとりをしていくなかである時、我々一同が大絶賛するバンドに出会います。ドイツ出身のバンド、アクセプトです。まだメジャーレーベルでリリースする前の彼らにとって4作目のアルバム『レストレス・アンド・ワイルド』(82年発表)に我々は痺れまくったのです。
決定打は冒頭1曲目「ファスト・アズ・ア・シャーク」。和やかなドイツ民謡が流れてきたかと思うと突然スクラッチノイズが入り寸断、そして金切り声によるシャウト、超速ギターリフのスピードメタルになだれ込んでいきます。この1曲だけでも注目に値するのですが、何よりこのバンドに一層注目させたのが、ヴォーカル、ウド・ダークシュナイダー。まさにドイツ!な存在感のある名前もイイ!
現在も連載が続く名作コミック『パタリロ』(昨年からウェブマンガにて連載中)を髣髴とさせる、短足、ポッコリお腹、低身長のずんぐりむっくりな体型。映画『ブレード・ランナー』や『ヒッチャー』に出演したオランダ出身の名優ルトガー・ハウアーを髣髴とさせる眼光鋭い悪役顔。ダミ声をさらに押しつぶしたような特徴的な歌声。そして全身迷彩色のアーミーファッション。
何よりカッコ良さが求められるアーティスト、それもバンドの華でもあるヴォーカリストがこんな漫画的なキャラでいいのか? 我々の間にもある種の動揺が走りました。
しかしながら、その特異な風貌から絞り出されるダミ声を押し潰してしゃがれたようにしたハイトーンシャウトにもやがて慣れてきます。慣れてしまえばあとは聴きまくるのみ。気が付けばもう我々にとってウドという強烈なキャラは必要不可欠の存在、ニュー・メタル・ヒーローとなっているのでした。
2017.08.31
YouTube / Knight Rider
YouTube / Bassplayer887
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