単独公演としては29年ぶりの来日を果たすニュー・オーダー。
このバンドは私にとって大きな存在なのです。楽曲、PV、アートワーク、メンバーの個性など前身のジョイ・ディヴィジョンを含め結成当初から大ファンなのですが、個人的にショックを受けたのは、1985年の初来日公演です。
29年ぶりの単独来日公演ということで1987年以来の単独公演になりますが、彼らにとっての初来日公演はその2年前の1985年。私は大阪に住んでましたので大阪厚生年金会館に見に行きました。
よく言えばクール、悪く言えばまったく愛想のないメンバーらが黙々と演奏を続けていきますが、当時高校生だった私の感想は「これがプロのアーティストか?」です。
そもそもヴォーカルのバーナードの音程は危ういし、バンドのアンサンブルで魅せるバンドではないというのはわかってたのですが、ホントに音程外しまくるわ、リズムマシーンの調子は悪いわ、ノリは悪くなる一方でした(ベースだけは何故かノリノリ!)。
早々と演奏は終わり、他の客も不満ながらも一応アンコールを求めてましたが、客電がつき、あきらめて出口に向かおうとしたら突然アンコールを始めるメンバー。慌ててステージ前に駆け寄り、席など関係なく何とか最後まで見守りました。
勿論感動などありませんでしたが、このあと私が考えたのは「俺にもバンドできるかも」。
そうです、私にとってのパンクはニュー・オーダーだったのです。そう考えると彼らの存在が凄くクールに感じられ、それからロック・アーティストのライヴの見方は大きく変わりました。
なんと、その演奏がちゃんとできるかどうかのハラハラドキドキの公演の模様がDVDになってます(東京公演ですがまあ同じです)ので、是非ご覧いただいてハラハラしてください(笑)。
その当時のPV「パーフェクト・キッス」でも同様の体験はできます。スタジオライヴ一発録り(音も)の緊張感あふれる名作。こういうのを撮らせると上手い名匠ジョナサン・デミが監督をしてますね。
ちなみにその後何度かフェスで来日し、その度に拝見してますが、もうそんな緊張感はありません。上手いです(笑)。名曲満載の5月の来日公演をお楽しみあれ!
2016.05.26
YouTube / Sven Enzelmann
YouTube / RHINO
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