共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.60
Everybody Have Fun Tonight / Wang Chung
80年代に誕生した「涙のナンバー2ソング」(1位になれなかったという意味の涙ですね! 念のため)。
要するに、悔しい思いをした作品が90曲以上も存在しているわけだが、再三指摘している通りナンバー1ヒット以上に強く印象に残った2位ソングがあったりする。記録よりも記憶に残ったヒットソング、ということか――。
そういった印象的なナンバー2ヒットは、シンディ・ローパーやクール&ザ・ギャング等、80年代前半に多く残っているイメージだが、もちろん80年代中盤~後半期にもしっかり存在している。
アーティスト名や曲名はうろ覚えでも、意外にも大きな共有感を誇る80年代中盤のヒットソングといえば、80年代58番目に誕生したナンバー2ソング、ワン・チャン「エヴリバディ・ハヴ・ファン・トゥナイト」(86年12~87年1月2週2位)だ。
イギリス出身の男性二人組、ワン・チャンにとっての自己最大のヒットソングで、もう1曲のトップ10ヒット「レッツ・ゴー!」(87年9位)もなかなかのものだが、「エヴリバディ・ハヴ・ファン・トゥナイト」の共有感の高さは出色と言えよう。
しかしトップ10クラスのヒットがこの2曲だけ、一般的に訴求した大きなヒットになったのが「エヴリバディ~」のみとあって、アーティストの認知度に関してはどうしても薄いという印象を受けざるを得ない。観ていてせわしないコマ送り形式の PV を覚えている方もいるだろうが、リードシンガーの歌い方とハイトーンな声質がどことなくポリスのスティングを髣髴とさせ、“おっ、ポリスの新曲、ポップに攻めてきたね” なんて、性急に思っちゃった人が続出したとか、しないとか…。
言われてみれば、リードシンガーのジャック・ヒューズ、ちょっとスティングに似ているかも。
ワン・チャンというグループ名、もしかしたら覚えやすそうで覚えにくかったのか…。まあ昭和末期のこの時代、「ワンちゃん」といえば王貞治以外の何ものでもなかったのだから。21世紀の今なら「ワン・チャン観に行くのワンチャンあるかも…」なんて囁かれたのだろうか。いっそのこと結成当初のグループ名ハン・チャン(Huang Chung)のままだったら、少しは彼らの知名度も変わっていたのかもしれない。まぁ、どう変わっていたかは――
神のみぞ知る、ですね。
2019.03.15
YouTube / WangChungTheBand
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