今年の流行語大賞の候補に「プレミアムフライデー」というのがありました。
残念ながら言葉の広がりほど効果が浸透せず何だか残念な言葉としての印象が残りました。居酒屋やパブなどの飲食店はプレミアムフライデーに様々なサービスを展開しましたが、それもあまり実らなかったようで。
そもそもお酒を扱うお店はハッピー・アワーなどといって早い時間に来店してアルコール類を頼むと安くなるというサービスを曜日に関係なく実施しているところもあって(平日限定のところが多いようですが)、呑んべえの私にとっては特に新鮮さを感じなかったのも事実。
ところでこのハッピー・アワーというサービス。欧米ではかなり昔から浸透しているサービスで夕方から夜7時頃に実施されることが多いようです。さらには仕事帰りに同僚とバーで過ごすという意味でも使われるようです。「さっさと仕事終わらせて早めにバーに集まろうぜ!」といった感じでしょうかねえ。そして、このハッピー・アワーにちなんだ曲があります。
その名も「ハッピー・アワー」。
英国のハウスマーティンズというグループが86年に放ったヒット曲です(UKシングルチャート最高3位を記録)。ハウスマーティンズはネオアコバンドとして83年英国のハルで結成されました。地元やフランチャイズのスポーツチームを愛する、ほんわかするするような暖かみのあるメロディーが特徴的なバンドです。
この「ハッピー・アワー」でブレイクしたあと、アイズレー・ジャスパー・アイズレー(アイズレー・ブラザーズ分裂時のグループ)の「キャラバン・オブ・ラブ」をアカペラカヴァーし大ヒット(UK1位)、87年にセカンドアルバムを発表し解散。
その後ヴォーカル、ポール・ヒートンはビューティフル・サウスを結成し、国民的な人気を得ます。さらにベースのノーマン・クックはビーツ・インターナショナルを経てファットボーイ・スリム名義で世界的人気DJとして成功、その後の活躍はご存知ですよね。
「ハッピー・アワー」は文字通り「ハッピー・アワーに楽しもうぜ」という内容ですが、「バカな上司がいない時は幸せだ」などと辛辣な皮肉や風刺が効いています。
他の楽曲も当時の社会批判など中級階級~貧困層市民の代弁者的な詩がなかなか痛烈です。ルックスも楽曲も派手さには欠けるもののデビュー後すぐに人気が築けた理由もその辺にあるものと思われます。そして、そういった身近な話題をテーマにした曲が少ないのもあるでしょう。
今や「ハッピー・アワー」は英国の呑んべえアンセムとしての地位を築いてます。酔っ払いの為の映画『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』にもフィーチュアされてます。ミュージックビデオも仕事を早く切り上げてパブに集まりダンスしながら歌うという「まんま」の楽しい内容。
明るいうちからお酒を飲むとなぜかおいしく感じるんですよねえ。
え? 違う?
いやいや私だけではないはず(笑)。
さあ、忘年会シーズンの今。上司が来る前に同僚だけで早めに1杯やっちゃいましょう。そしてこの曲を聴きながら!
2017.12.27
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