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エディ・マネーの大いなる魅力、忘れ去られてしまうその前に!

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エディ・マネーのセカンドアルバム「ライフ・フォー・ザ・シンキング」がリリースされた月
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2019年9月13日、エディ・マネー逝去(享年70)


JR八高線の東福生駅から歩いてすぐ、国道16号沿い・横田基地の正面にあるレコードバー「SURE SHOT」をご存じだろうか? 本サイトのカタリベとしてもお馴染みKARL南澤さんが営む素敵なお店がそこにある。お店にはカールさんの私物レコード約15,000枚が所蔵されており、聴きたい曲をリクエストするもよし、レコード棚から自分で好きな作品を見つけて、お店に完備されているDJブースで針を落とすもよし、素敵な音楽を聴きながら美味しく呑める酔いお店なのだ。

2019年9月13日、私は「SURE SHOT」のDJブースでほろ酔い気分でエディ・マネーのセカンドアルバム『ライフ・フォー・ザ・シンキング』(1979年)から「メイビー・アイム・ア・フール」に針を落とした。曲が鳴り響くと、カールさんがDJブースに来て、「エディ・マネーのこの曲、すげーいいよね。残念だよね、今日、亡くなっちゃったんだよね」と声をかけてきた。私は「エ~ッ、マジっすか?」と驚きを隠せなかった。

70年代後半~80年代前半の “いなたい” ロック?


ここ数年、70年代後半~80年代前半の “いなたい” ロックをDJでかけることが多い私は、エディ・マネーのアルバムを中古アナログでチョコチョコ買い始めたところだった。最初に買ったのは、ファーストアルバム『噂のエディ・マネー(Eddie Money)』(1977年)だった。ローリー寺西と見間違うルックスのエディ・マネーがオモシロポーズを決めているジャケットがなんとも印象的な作品だ。

この日、私が選曲した「メイビー・アイム・ア・フール」は、1979年、ビルボード最高位22位のヒット曲。ミディアムテンポで60年代ソウルを彷彿とさせるナンバー。クラブでかけるとお客さんから「これ誰の曲ですか?」なんて聞かれることもたまにある。この後、エディ・マネーは、「テイク・ミー・ホーム・トゥナイト」(1986年)と「ザ・ラブ・イン・ユア・アイズ」(1988年)の2曲をトップ10に送り込んでいる。

王道ロックでも産業ロックでもない、微妙なポジションが魅力


80年代において、アメリカのロックシーンは、ブルース・スプリングスティーンを筆頭にトム・ペティやジョン・クーガー・メレンキャンプらが、王道アメリカンロックを鳴らし、同時にシンガーソングライター然とした詩情を歌い大きな支持を集めていた。一方で洗練された楽曲と高い演奏技術によるAORや産業ロックと言われるアーティストもチャートを賑わせていた。

エディ・マネーは、王道アメリカンロックシーンにも産業ロックシーンにもドンピシャ当てはまることなく、かと言って大きく外れることもなく、微妙なポジションにいたアーティストだ。しかし、その微妙な立ち位置こそが、他にはないエディ・マネーの魅力になっているのだと私は感じている。

それゆえにエディ・マネーはロック名盤100選のようなバイヤーズガイドに名を刻むアーティストかと言われると、それはちょっと難しそうだ。では、知る人ぞ知る隠れた名盤ガイドで紹介されるのかというと、メジャーすぎてこちらもさらに難しそうだ。

そんなことを考えると、残念ながらエディ・マネーは月日の流れの中で少しずつ人々の記憶から忘れさられてしまう存在なのかもしれない。ポップミュージックの歴史は消えていった星の数ほどのアーティストたちと、一握りの成功者たちで作られている。ポップミュージックは残酷であると同時に、その儚さが魅力なのだ。

エディ・マネーが歴史の星屑に埋もれてしまう前に…


実は、私がエディ・マネーの中古盤を買うきっかけは、ズバリ枚数合わせだったのだ。“本日、〇枚以上ご購入の場合、〇%割引きセール” というのを中古盤屋ではよくやっている。「あと1枚買えば割引きだ!」その、あと1枚を選ぶのが実は迷ってしまうわけで、そんな折、手にしたのがエディ・マネーだったのだ。

エディ・マネーのレコードは、今後も中古盤屋のお買い得品コーナーの不動のレギュラーとして、また、割引きセールの枚数合わせアイテムとして重宝されるような気がしてならないのだが、キッカケはどうであれ、私はエディ・マネーの魅力に大いにハマったのだ。忘れ去られるにはもったいない魅力的なロックシンガーなのである。

エディ・マネーがポップミュージック・ヒストリーの星屑に埋もれてしまうその前に、リマインダーでコラムを書きつつ、中古盤屋のお買い得品コーナーで見つけたら、レコード箱の一番前にコッソリと順番を差し替える普及活動を行いつつ、ささやかではありますが、故人の供養とさせて頂きたいと思う今日この頃なのでございます。

皆さん、中古盤屋のお買い得品コーナーのレコード箱の一番前にエディ・マネーのレコードがあったのなら、それは、私の仕業かもしれませんよ。


追記
私、岡田浩史は、クラブイベント「fun friday!!」(吉祥寺 伊千兵衛ダイニング)でDJとしても活動しています。インフォメーションは私のプロフィールページで紹介しますので、併せてご覧いただき、ぜひご参加ください。


2020.08.19
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カタリベ
1972年生まれ
岡田浩史
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