男目線でも激しいスポ根アニメ「エースをねらえ!」
お蝶夫人に憧れてミーハー気分でテニス部に入部した岡ひろみはごく普通の女子高生だった。しかし、新任コーチの宗方仁に、内に秘めたズバ抜けた身体能力と天性の運動神経を見出され、いきなり代表選手に抜擢される。突然の代表抜擢に戸惑いながらも、宗方コーチの厳しい指導の下、岡ひろみは持ち前の根性で自身の才能を開花させていく。
『エースをねらえ!』は男の目線で見ても、かなり激しいスポ根ドラマだった。高校生でありながら何故か “夫人” と呼ばれる竜崎麗香を始めとする個性的で濃いキャラ達、宗方コーチの数々の名言、“ひろみ” という名の主人公への執着(初恋の子の名前がひろみちゃんだったので)などなど、当時の僕は、このアニメをかなり夢中で観ていた。
『エースをねらえ!』の最初の放送は1973年10月5日~1974年3月29日まで。視聴率が振るわず、原作では中盤の岡ひろみがお蝶夫人に勝利するところで終わる。
僕はこの時小学2年生だったので、夢中になって観たのはこの時ではなく、再放送の時だと思う。事実、中学生になった時(1978年)、テニス部へ入部した人数がやたら多かった。初恋のひろみちゃんもテニス部に入ったしね。
再放送の視聴率が良かったので、リメイクされて放送されたのが『新・エースをねらえ!』。1978年10月14日~1979年3月31日までの放送だ。
こちらは、宗方コーチが死んでしまうところまで描かれる。これまた一大テニスブームを巻き起こし、高校生になった時(1981年)もテニス部への入部者が多いのなんの。もし、高校のテニス部が軟式でなく硬式だったら、僕も野球に別れを告げテニス部に入っていたと思う。
ふたつの主題歌「エースをねらえ!」と「青春にかけろ!」爽やかにスポ根を表現
このふたつの『エースをねらえ!』、その主題歌が実に魅力的で秀逸だ。『巨人の星』や『アタックNo.1』など、それまでのスポ根アニメの主題歌のような泥臭さは一切感じない。爽やかでいながらスポ根がしっかりと表現されている。
コートでは誰でもひとり ひとりきり
わたしの愛も わたしの苦しみも
誰も わかってくれない
(エースをねらえ!1973年)
泣きたいときは コートで泣けと
あのひとはあのひとは 教えてくれた
つまづいても 打ちのめされても
私には見える ひとすじの光が
(青春にかけろ! 1978年)
どうだろう、詞を見ると自然にメロディーが浮かんでくるRe:mindar世代の方は多いのではないだろうか。ちなみに、僕は両方とも大好きなので、今でも詞を見ないでも歌える。
鼻血まで出す名曲? 新・エースをねらえ!の主題歌「青春にかけろ!」
『エースをねらえ!』と言えば、自分でも未だに信じられない思い出がある。高校3年生の秋、夏の大会も終わり、そろそろ3年生は部活動を卒業するという、のんびりしてゆるーい土曜日の午後だったと思う。ふと見ると、隣のテニス部の様子がいつも違うことに気付く。女子がスコートを履いて練習をしている。いつもはジャージなのに…
「どうしたの? なんで今日はパンツ見せてるのさ?」って聞いたら、「そろそろ卒業だから、今日は記念にスコート履いて練習することにしたの」とのこと。
「ジーっと見ていてもいい?」と聞くと、「いいよー!」と言うので、僕は座ってじっくり見ることにした。サボってもOKな、とにかくのんびりしてゆるーい午後だったんだ。
この時、僕のお気に入りの娘もテニス部だったので、彼女のかわいいスコート姿を目で追っていた。自然と頭の中で「エースをねらえ!」と「青春にかけろ!」を順番に口ずさみながら。
そして、何回目かの「青春にかけろ!」を口ずさんでいたその時、僕の体に異変が…。
なんと、鼻血が垂れてきたんだ。
慌てて止めようとしたけどティッシュペーパーは持ってない。アタフタしている内に、テニス部の女子に見つかってしまったからもう大変… 笑われる方向にいったので良かったんだけどね。
多分、僕の人生で一番恥ずかしかった出来事は、この “お気に入りの娘のスコート姿を見ていたら鼻血出ちゃった事件” だ。
漫画などで、エッチな写真とか見て鼻血を出すシーンがあるけど、ぶつけたり、ほじったりしないで鼻血が出るなんてありえないと思っていた。でも自分で本当にあることを証明してしまった。いや、偶然だと思うんだ。そりゃ、お気に入りの娘のかわいいスコート姿を見ながらいろんなことを想像したりしてたけど…。
まさかね、偶然だ、きっとそうだ。『新・エースをねらえ!』の主題歌は、鼻血まで出す名曲、っていうオチにしておいて頂ければと思います。
歌詞引用:
エースをねらえ!/ 大杉久美子
青春にかけろ!/ VIP※2017年11月24日に掲載された記事をアップデート
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2021.09.26