『ドラゴンボール』の原作で、まだ「マジュニア」を名乗っていた頃のピッコロを倒して大団円を迎えた天下一武道会。悟空がチチと筋斗雲で飛び立つエンディングの横で、ひっそりと亀仙人がつぶやく「最終回じゃないぞよ もうちっとだけ続くんじゃ」のセリフは衝撃だった。
「もうちっとだけ」を額面通りに受け取れば、最終回が近いことを感じずにはいられないわけで、ジャンプ発売翌日にはこの話題でかなり盛り上がったことが記憶に新しい。しかし、ここからまさかの「サイヤ人」設定が飛び出し、怒涛のインフレバトルが繰り返されるとは、当時は夢にも思わなかったが…。
そして、アニメはこの「サイヤ人編」から『ドラゴンボールZ』に改題し、仕切り直し。社会現象化する人気を獲得することになる。主題歌はノリノリすぎる名曲「CHA-LA HEAD-CHA-LA」。バックで流れるアニメとのシンクロ率も高く、「♪ 胸がパチパチするほど」で、ブルマの胸がドアップでブルブルと揺れた直後の「♪ 騒ぐ 元気玉」に掛けての、クリリン → 天津飯 → 悟空への見せ場のリレーは、『Z』がシビアなアクション主体になっていくことへの宣言だったと勝手ながら解釈している。
筆者には10歳年下の弟がいるが、当時小学生になったばかりの弟がいつも全力で主題歌を歌いまくっていたことも思い起こされる。曲の最後の「Sparking!」がなんのことか分からず、何を言っているかも分からず、「アブシュ!」と思いっきり叫んでいた弟。可愛いもんである。
そんな中、「“たまのりしこ” って何?」と、たずねて来たことがあった。弟は「玉乗り仕込みたいね」を「“たまのりしこ” みたいね」と勘違いしていたのだ。これにより、筆者にとってこの主題歌は別名「“たまのりしこ” の歌」として、記憶に留まっているのである。イントネーション的には「多摩紀彦」。もちろん、そんな人物は存在しないのだが。
CHA-LA HEAD-CHA-LA / 影山ヒロノブ
作詞:森 雪之丞
作曲:清岡千穂
編曲:山本健司
発売:1989年(平成元年)5月1日
2016.10.03
YouTube / 東映アニメーションミュージアムチャンネル