4月21日

ボーカリスト宇都宮隆の魅力、永遠の少年性とセクシーさの共存

54
0
 
 この日何の日? 
TM NETWORK のシングル「Come on Let's Dance(This is the FANKS DYNA-MIX)」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます

 
 1986年のコラム 
アメリカ音楽への敬意と誇り、歌うはジョン・クーガー・メレンキャンプ

スシ食いねェ!の英語ヴァージョン「Oh!SUSHI」は国際化の尖兵?

トップを取れないバングルス、プリンス殿下のアメとムチ大作戦?

学園祭でアン・ルイス。あの娘に夢中!高ぶる気持ちは「あゝ無情」

ゴンチチのアルバム「Sunday Market」はじける夏イメージ!のはずが…

難局を乗り越えたゴンチチ、ポップにイメチェンしようとがんばったけど…

もっとみる≫




TM NETWORKのボーカリスト、宇都宮隆の存在感


「ウツ、ありがとう!!」。そんな歓声が飛び交った中野サンプラザの熱い夜。2月6日、7日に開かれた宇都宮隆のツアー『Dragon The Carnival』の光景だ。

宇都宮隆―― 言わずと知れた TM NETWORK のボーカリスト。抜群のルックスと甘く美しい歌声は、今なおファンの心をつかんで離さない。少しタイムマシーンに乗って時間を戻したい――

1984年にデビューを果たした TM NETWORK はキーボードの小室哲哉、ギターの木根尚登、そして宇都宮隆の3人からなるグループだ。1986年にリリースされた「Come on Let's Dance (This is the FANKS DYNA-MIX)」のダンサブルな曲は、あまりにも衝撃的で、当時中学生だった私を瞬く間に虜にさせた。よく地方キャンペーンにも訪れてくれて、ラジオ局やレコード店にやってくるという情報を仕入れては 中学生にして “追っかけ” になった。まだこの頃は、駅で会っても話しかけてくれるほどファンとの距離も近くて、生のウツの姿にいつもドキドキしたものだ。1987年、「Self Control(方舟に曳かれて)」、「Get Wild」をリリースすると音楽番組への露出も増えて、あっという間にヒットチャートを駆け上っていった。

少年っぽさとセクシーさの共存、素敵で無敵のカッコよさ


これでもか!というほど転調を繰り返していく斬新な小室サウンドと、たくさんのキーボードが並ぶ要塞に世間の関心が集まる一方で、当時のウツはルックスに注目されることが多かったように思う。誰が見たってウツはカッコよかった。立ち姿も、マイクスタンドを握る姿も、ダンスパフォーマンスも何もかもが輝いて見えた。幼心にも「少年っぽさとセクシーさが共存するなんてズルイな…」と何度も思った。

それほどウツは無敵だったし、素敵だった。それだけに歌声の素晴らしさについて語られる機会はそう多くはなかったように思う(なんというもったいなさよ…)。一度でも TM の曲を歌ったことがある人なら、TM の曲を歌い上げる事がどれほど難しいか分かるはずだ。当時はイヤモニすらなく、激しいダンスをしながら見事に歌い上げていたウツは「すごい…」としか言いようがない。

丁寧にまっすぐ歌い上げていく歌声の魅力


以前、ウツは自身の歌い方について―― わざとサラッと歌った方がかえって奥に秘めた感情みたいなものが出ることもある―― と話していたことを記憶している。また、木根尚登もウツの歌について以下のように語っている。―― ウツって TM の場合、結構メッセージ性のある曲でも、それが過剰に前に出ないよさがあるんですよ(『小室哲哉ぴあTM編』より)――

ビブラートはほとんど使わない。歌声に飾りなんて施さない。ただ真っすぐに歌いあげていく。だからこそウツの歌声には “永遠の少年性” が生まれるのだと思う。感情を込めすぎない歌詞との絶妙な距離の取り方、その歌い方はメッセージ性の強い押し付けを生まず、そっと聴き手に委ねてくれる。一つひとつの言葉を丁寧にリズムにはめていくことに重点を置く歌い方をとることで、歌詞の意味は無限に広がり、ウツの美しくてどこかせつない歌声が、曲の世界を聴く人それぞれの色へと染め上げていく。

35年分の愛、ソロツアーなのに全部が TM の曲!


今年は TM NETWORK にとって35周年を迎えるアニバーサリーイヤーだ。そんな中、ウツはソロツアーで、“全曲TM” というレアなライブを行った。温かさと包容力が増したウツの歌声で紡がれていくステージは最高に素晴らしかった!

3人でのステージが叶わない中、最後に流れたウツからのメッセージ「僕なりの35周年」という言葉に、会場中が胸を熱くした。フロントマンには珍しく、シャイで寡黙な性格の彼が35周年を背負い TM の曲を届けてくれたこと。それがどれほど感動的で、幸せなことだったか、言葉に尽くしがたい。

FANKS たちの「ありがとう!」の声はウツにはもちろん、観に来ていた小室にも届いたと信じている。パントマイマーが出てくるステージの演出だって、舞台にそっと置かれたキーボードの EOS だって、選び抜かれたセットリストにだって…… すべてに意味があり、すべてにウツの愛が詰まっていた。

4月21日には、ツアーのもようを収録したブルーレイのリリースも決定。この日は TM の記念すべきデビュー日でもある。そんなところにもまた、“ウツなりの愛” が溢れている。また、3月18日には TM NETWORK ベストアルバムも発売された。ぜひ、それぞれの作品でウツの素晴らしい歌声を堪能してほしい。

2020.03.18
54
  YouTube / Sony Music (Japan)


  Apple Music
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1971年生まれ
村上あやの
コラムリスト≫
26
1
9
8
8
小室哲哉とTM NETWORK、ピリリと尖った声の魅力と美しいコーラスワーク
カタリベ / 村上 あやの
65
1
9
8
7
TM NETWORK と小室哲哉「シティーハンター」から生まれた2つのダンスビート
カタリベ / KZM-X
12
1
9
8
7
TM NETWORK 木根尚登が綴る名曲たち “キネバラ” が愛される理由
カタリベ / 村上 あやの
31
1
9
8
7
EPICソニー名曲列伝:TM NETWORK「Get Wild」小室哲哉をブレイクさせた狭い音域の妙
カタリベ / スージー鈴木
42
1
9
8
8
4人目のメンバー小室みつ子、TM NETWORKにみる歌詞の世界
カタリベ / 村上 あやの
38
1
9
8
7
LPにはないガジェット感、CDだけで発売された TM NETWORK のベスト盤!
カタリベ / 吉井 草千里
Re:minder - リマインダー